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11月18日(金)23:00から、八丁座・壱でNetflixシリーズ『新聞記者』オールナイト上映とトークショーがありました。広島国際映画祭では2016年以来のオールナイト上映となり、22:30の開場時に約20人のファンが列を作っていました。
上映前のトークショーでは、進行役のキムラミチタさん(フリーパーソナリティ)が、まず藤井道人監督のインタビュー映像を紹介。これは、この日映画祭に駆けつけた監督が、オールナイトのお客さまだけのために、イベントや取材で大忙しの合間を縫って収録したものです。この中で監督は、映画作品に続いて自らドラマを手がけた理由を「映画は視点を一つに絞るが、ドラマだと群像劇として複数の視点が描ける。横浜流星さんが演じた役のように、自分に近い目線を入れたかった」と狙いを語りました。さらに、撮影時の裏話として、官僚役の綾野剛さんが、苦悩を表現するために「水抜き」(水分を取らずに撮影に臨む)をしたことで現場が、緊張に包まれたと明らかにしました。
この後、制作したスターサンズの長井龍プロデューサーと、本作の美術監督である本映画祭の部谷京子代表が登壇しました。長井さんはドラマ化の発想は故河村光庸プロデューサーの企画だったと改めて紹介し、「藤井監督は流星さんの役にこだわることで、監督を引き受けてくれた。以前はあまり新聞を読まなかった藤井監督は、そのまま流星さんの役柄に重なる」と制作当時を振り返りました。
部谷代表が美術監督として力を込めたのは、闇の権力の象徴である「内調」(内閣情報調査室)のセットだったと語りました。映画作品では明確に描かれない個所でしたが、少ない情報をもとにイメージを固め、規模感や雰囲気を表現できたと手応えを感じていました。
全6話、4時間半の上映が終わると、時刻は朝5時すぎ。再び部谷代表が「おはようございます」とあいさつし、主要な登場人物が松田、鈴木・豊田などとなっているのは、日本の自動車メーカーの名前と重ねることで海外の観客へのアピールを狙った監督の戦略と種明かしました。共に熱い一夜を完走した観客からは、再度の拍手が上がりました。
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