広島国際映画祭 HIROSHIMA INTERNATIONAL FILM FESTIVAL

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2022/11/20

宮川博至監督、主演の東出昌大さん登壇 『とべない風船』トークショー

11月20日(日)13時30分からNTTクレドホール第一会場で、『とべない風船』のジャパンプレミア上映が行われました。上映後はトークショーが行われ、宮川博至監督、主演の東出昌大さんが登壇。映画に対する思いや撮影のエピソードなどを披露しました。司会はフリーパーソナリティーのキムラミチタさんです。

『とべない風船』アフタートーク

本作は、西日本豪雨で妻子を亡くし心を閉ざした主人公・憲二(東出昌大)と、疎遠になった父親に逢うため島にやってくる元教師の凛子(三浦透子)との心の交流を通じて、島の人々の絆を描いた感動作です。

『とべない風船』アフタートーク

トークショーでは、宮川監督と東出さんのお互いへの印象を聞く質問から始まりました。宮川監督は「大きな人だなぁと思いました!でも、とても気さくで人間として魅力的な方です」と話し、東出さんは「監督とはコンビニでお酒を買って平和公園で飲んだり、本通りを何度も一緒に往復してすぐに打ち解けました」と話し、会場からは笑いも起きました。役作りとして東出さんは、クランクインの何日か前に広島入りして地元の漁師さんに話を聞いたり、家族役の役者さんと一緒に過ごしたりして感情を作ったと明かしました。凛子役の三浦透子さんは「理系でロジカルに考えた末に普通に芝居に持っていける方ですごい」と話し、監督は凛子の父親役 小林薫さんを「脚本の段階からこの役は小林さんをイメージして書きました。実際にお会いしてみても本当にあたたかい優しい方でした」と話しました。

『とべない風船』アフタートーク

トークの途中からは、本作で美術を担当している広島国際映画祭 部谷京子代表も参加。ロケ地江田島市での撮影エピソードや、ロケ地が部谷代表の出身地という話でも盛り上がりました。東出さんは「部谷さんは僕のリクエストにもすぐに応えてくださって、一輪挿しを準備してくれたり誕生日会のシーンの飾り付けも一緒にさせてもらい、すごく俳優部に寄り添ってくださった」と振り返りました。豪雨災害以外にも社会問題について描いている箇所があり、監督は「本当のリアルが無いと 受け手に対して失礼なんじゃないかなと思い、実際自分が見た、聞いた、実体験を反映させています」と話し、自身が西日本豪雨災害を体験したことが本作を作るきっかけになったと打ち明けました。映画作りでこだわったのは、広島ローカルという部分です。オール広島ロケはもちろん、広島の資本で広島のスタッフ、広島の役者に入ってもらい、東京の役者と一緒に仕事をすることがスタッフや役者に良い機会になると考えました。「小林さんが役をすぐ引き受けてくださったのも、そこに強く共感してくださったから」と、感慨深く振り返りました。

『とべない風船』アフタートーク

終盤は客席からの質疑応答もあり、すべての質問者に丁寧に応えていたのが印象的です。ゲストたちの熱い思いで会場が大いに沸いたトークショーは、大きな拍手で惜しまれながら終わりました。映画は12月1日(木)から広島先行公開され、来年から全国で順次公開予定です。

『とべない風船』アフタートーク

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