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11月20日(日)10:00からNTTクレドホールで『こちらあみ子』の上映と、森井勇佑監督と子ども役の俳優たちによるトークセッションが行われました。
全編広島ロケで生まれたこの映画は、今村夏子さんの原作を、森井監督がデビュー作として映画化し、今年夏に全国で公開されました。主人公は、ちょっと風変わりな女の子あみ子。誕生日のプレゼントにもらったトランシーバーに「こちらあみ子!」と呼び掛けます。あみ子の純粋な行動は、家族や友達を巻き込んで波紋を巻き起こしますが、常識や固定概念に縛られがちな現代の私たちに何かを強く訴えてきます。
トークセッションには、森井監督はじめ、あみ子役の大澤一菜(かな)さん、兄の孝太役の奥村天晴さん、のり君役の大関悠士(ゆうと)さん、坊主頭役の橘高亨牧(みまき)さんの5人が登場。「あみ子」のTシャツ姿で、一人ずつ会場内のレッドカーペットを踏みしめてステージに上がりました。
聞き手の西崎智子さん(広島フィルムコミッション)が、オーディションからこの映画を振り返ろうすると、奥村さんから、「そもそも監督はどこで原作にめぐり会ったのか」と直撃。監督は「本屋で見つけた。自分自身も外れ者なので、そこがあみ子に重なった」と、出発点を語りました。オーディションは、床に寝そべったり、相撲をとったり、ゲーム機で遊んだりと、出演者たちにとっては相当風変わりだったオーディションだったようで、映画の雰囲気が生まれていくことを感じさせました。
撮影中のエピソードとして、父親役の井浦新さんを出演者の多くがスタッフかマネージャーと勘違いしていたこと、大沢さんのゲップを密かに収録して映画に滑り込ませていたことなどが、明かされました。
西崎さんからは、森井監督がTAMA映画祭の最優秀新進監督賞に選ばれたことや、ロッテルダム映画祭のBright Future部門へ正式出品されることなど快進撃が報告されました。
最後に、大沢さんがラストシーンのセリフ「だいじょうぶじゃ!」を、映画と同様に振り向きざまに再現すると、大きな拍手が起きました。この後、広島ロケに参加した人たちがステージに上がり、出演者と一緒に和やかに記念撮影が行われました。
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