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11月18日(金)15:30から、NTTクレドホール第1会場で『ひらいて』が上映されました。
高校3年生の愛(山田杏奈)は同じクラスの¨たとえ¨(作間龍斗)にずっと片想いをしていたが、実はたとえには美雪(芋生悠)という彼女がいた。その事実を知った愛が感じたいいようのない悔しさと心が張り裂けそうな思いに誰もが共感してしまうような愛憎エンターテイメントです。原作は綿矢りさ『ひらいて』。メガホンを取ったのは『また一緒に寝ようね』でぴあフィルムフェスティバル2016の映画ファン賞と審査員特別賞を受賞し、本作で長編商業映画デビューを果たした首藤凛監督です。
上映後は、首藤監督と杉田浩光プロデューサーを招いてトークショーが行われました。聞き手は広島国際映画祭 部谷京子代表です。高校時代に原作を読み、強烈な衝撃を受け、映画化の夢が始まったという首藤監督。「入社当時から、書いた脚本を持ってきて、映画化の交渉をするなど、新人にはとても高い壁と言われていたものを彼女は乗り越えましたよ」と杉田プロデューサー。部谷代表は、存在感のある山田杏奈さんがキャスティングされて、抑えた演出でありながらグイグイ引っ張っていくストーリーにとても惹かれ、なんと6回も見たといいます。
「原作で桜は絵で、映画では桜は折り鶴になっているがこの違いは何か」という質問に、首藤凛監督は、「『折る』という行為には、祈る、外に開かれない、という意味が込められており、外に開かれていないが不意に美しくなってしまった愛そのものを折り鶴で表現しました」と答えました。作品を見た人に感じてほしいことは?という質問に、「(感じとってほしいことは)みなさんにお任せしたいですが、何らかの感情が残ると嬉しいです」と首藤凛監督は語りました。
最後に愛が折り鶴を開くシーンについては「思いを内に秘めて自分しか見えていなかった人が初めて自分の心を自分で開いてみる、というのを表現したが、現場で見たら、開いた折り鶴にはしわがついていて、やっぱり無かったことにはならない、不思議な気持ちになった」と語りました。会場からは拍手が湧き上がり、トークショーは幕を閉じました。
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