News
ニュース
11月18日(金)17:00から、NTTクレドホール第2会場で金子雅和監督のティーチイン『インディペンデント映画の製作と海外展開』が開かれ、高校生らを交えた30人を超えるファンが集まりました。司会のキムラミチタさん(フリーパーソナリティ)に促された金子監督は、長編第1作の『アルビノの木』もこの映画祭で上映されたことや、もともと戦争の記憶に関心があり、そこに『リング・ワンダリング』の萌芽があるなど、広島との縁から語り始めました。
『リング・ワンダリング』は創作に悩む主人公の青年が、時間軸を超えた悲しくも不思議な体験を経て成長するという、監督のオリジナルシナリオによる作品です。監督は「作りたかった企画をどう実現させたかをお話ししたい」と、普段聞くことのできないテーマについて、スライドを使いながら丁寧に説明を続けました。
作品は企画が始動してから、今年2月の全国劇場公開に至るまで4年近くかかり、その間さまざまな苦労があったようです。当初は公開が決まっておらず、出資を募るためにシナリオだけなくイラスト入りのストーリーボードを作ることからスタート。いろいろなコンテストに応募し賞金や支援金を獲得。海外の映画祭にも積極的に出品することで、海外セールスや国内上映のプロモーションにも繋げたことなど、興味深い話ばかりです。
後半は、次回作『水虎』にも話が及び、プレゼンテーションに使った資料を示しながら「7分間のプレゼンのために、死ぬほど練習しました」と裏話を披露しました。コンテストを勝ち抜いて制作された『水虎』のパイロット版上映後には「続きが見たい」という気持ちを込めた拍手が響きました。監督は「この作品を完成させて、また広島に帰ってきます」という力強い言葉で、約1時間のティーチインを締めくくりました。
« 若手女性監督、首藤凛監督の渾身作『ひらいて』のトークショー『余命10年』小松菜奈さん、坂口健太郎さん、藤井道人監督のトークショー »