広島国際映画祭 HIROSHIMA INTERNATIONAL FILM FESTIVAL

2015.11.21 Sat. - 23 Mon.メイン会場:NTTクレドホール

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ニュース

2014/11/15

バービー・タン プロデューサーによるワークショップ「アジア映画最新事情」が行われました。

11月15日(金) 13時15分から香港の映画プロデューサーである、バービー・タンさんをお招きして「アジア映画最新事情」をお話して頂く予定でしたが、当日の大幅な内容変更もあり、今回はプロデューサーとしての役割のお話をしていただきました。

Ms Barbie Tung

― みなさん、前へ!仲良くお話しましょう。

と司会兼通訳のポーリーンさんからマイクを使わずに語りかけるように始まりました。

 

「中国では、映画をつくるにはおいしいマーケットですよ」

トーク開始の第一声が、いきなりビジネス!?しかし、これはプロの心構えだそうです。

 

― 映画をつくるにあたってのタンさんの役割は?

「プロデューサーです。プロデューサーはなんでもコントロールしなければなりません。お金がない。日にちがない。そういう中でスタッフとやりくりをしないといけません。」

「まず作り出す商品を、どういうマーケットを対象にするかを考えます。そして、それらを創り出せる人たちと連携をとります。予算とスケジュールを考え、それにあった監督・スタッフを探します。映画が出来上がったら、今度はプロモーションです。プロダクションの全てを考えるわけです」

映画といえば俳優・監督ばかりが光を浴びますが、その中でタンさんは、皆さんに知ってもらいたいプロデューサーの仕事の中身や、そこから得た大切なことを生き生きと語られました。タンさんのお話を聞いた後は、プロデューサーの方々の大変さに頭が下がる思いです。

 

「その中で常に、どのような新しい技術(3Dなど)が開発されているか知らなければなりません。そして、何が必要か美術にも言及していかなければなりません。そこでは法的な知識も必要です。例えばブランドのバッグが映るだけで、訴訟問題が起きるからです。スタッフ全員にそのような教育を施すことも必要です。」

「また、スタッフとの人間関係に注意を払うことも必要です。」

「映画の構想から作成・プロモーションまでの長い月日を耐え抜く『忍耐力』が必要です。」

「これは仕事だから『割り切る』ことも必要です。華やかな現場を夢見ている若者にも、そうではないことを知ってほしい。」

 映画といえば、その功績は俳優・監督ばかりに焦点が当たりますが、プロデューサーなどの裏方の方々に、ぜひとも賞賛の声をあげようではありませんか。あなた方なくして、この映画はできなかった、と。

一方でプロデューサーとしての密かな楽しみとしては、

「ロケーション(撮影場所)を自由に決められます。行ってみたい国を選ぶことだってできるのです。」と、満面の笑みで語ってくれました。

「プロデューサーは、映画が終わったらいつもいいことばかりを思い出します。途中でいろいろあっても、映画の作成が終われば許してしまいます。これが、私がうれしかった思い出です。」

 多くの苦労が、最後には果てしない感動を運んでくれる。タンさんはきっと、これからも多くの感動を残していくのだろうと参加者の全員が確信しつつ、「アジア映画最新情報」は幕を降ろしました。

 

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