広島国際映画祭 HIROSHIMA INTERNATIONAL FILM FESTIVAL

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2021/11/20

カンヌ4冠の映画『ドライブ・マイ・カー』濱口監督トークショー

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第74回カンヌ国際映画祭で脚本賞ほか4冠に輝いた映画『ドライブ・マイ・カー』の上映と濱口竜介監督のトークショーが11月20日、NTTクレドホール第1会場でありました。濱口監督は2009年の『パッション』、2015年の『ハッピーアワー』ジャパンプレミアに続き、広島国際映画祭に参加されるのは今回が3回目となります。大変ご縁のある濱口監督が本作でメインの撮影地に選んだのが広島です。トークショーのはじめに「この広島の地で皆さんにご覧いただいて大変うれしく思っています」と監督からあいさつがあり、会場は大きな拍手に包まれました。

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本作は村上春樹の同名短編小説を映画化。舞台俳優の主人公・家福が抱える亡き妻との記憶や葛藤を豊かな情景やドライブシーンとともに描きます。家福を演じたのは西島秀俊さんです。映画のおよそ3分の2が広島で撮影されました。今年7月に行われたカンヌ国際映画祭では日本映画として初となる脚本賞に輝き、国際映画批評家連盟賞、AFCAE賞、エキュメニカル審査員賞という3つの独立賞も受賞し大きな話題になりました。濱口監督は、ワールドプレミア上映後に世界中から100近い取材が殺到したと当時の様子を明かしました。その中で多かったのが「なぜ広島で撮影を?」という質問だったそうです。濱口監督自身は広島の雰囲気が気に入り、ゴミ焼却施設である環境局中工場を視察した時に映画のシーンがすぐ思い浮かんだそうですが、取材を受けるうちに、原爆を落とされたヒロシマの街と過去に大きなキズを負った男の再生がテーマとなっている本作が重なっているのかもしれないと逆に気付かされたと話しました。また、1番多かった質問が「なぜ村上春樹の作品を選んだのか?」というものだったそうです。村上春樹氏の大ファンだと公言している濱口監督ですが、改めて同氏の作品が世界中で読まれているんだと、影響力を感じたそうです。

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主演の西島秀俊さんについて「普段、家福は感情を見せない男なのに、どう観客に感情を見せていくのかが大変でキツイ現場でした」と東京国際映画祭の本作上映後に西島さんが話していたと聞き手の西崎さんが明かしました。濱口監督は「そうだったんですね、西島さんはジムに行けないのがつらいと言っていました。どんだけ体を鍛えるんだと思いました!」と話し、会場からは笑いが起きました。

さらに濱口監督とタッグを組んだ『寝ても覚めても』(2018)、『スパイの妻(脚本のみ)』(2020)の山本晃久プロデューサーも登壇し、トークショーはますます盛り上がりを見せました。

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その後、第2の主人公とも言える家福の愛車サーブ900についてや、海外の出演者につられて撮影中に監督が号泣した話など撮影中の貴重なエピソードも飛び出し、会場は大いに沸いてトークショーは終了しました。

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