News
ニュース
11月21日(日) 11:00から、NTTクレドホール第2会場で広島県Web公募美術展一般部門映像系における受賞作品が公開されました。
広島県Web公募美術展では、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、広島県立美術館で開催を予定していた「第9回新県美展(第73回広島県美術展)」(令和3年6月26日~7月11日)を中止したことに伴い、引き続き制作活動を奨励するとともに、美術鑑賞の機会を提供する観点から、インターネットを活用して美術作品を公募し、優れた作品を公開しました。874点の応募があり、厳正な審査の結果、498点が入選しました。
一般部門映像系では、大賞に『外れ』の山崎貴美さん、優秀賞に『Archive』の川島桃花さんと『めぐる』の樫部さおりさん、奨励賞に『水の散歩』の藤本琴葉さん、『イヌと井戸とニンゲン』の椋田サラさん、『探求心』の三村真輝さんが賞を獲得しました。
会場ではその6作品が公開され、それぞれの個性を生かした作品に会場が引き込まれました。『水の散歩』は、コップの中の水が猫を象り、コップから飛び出してちょっとした冒険をするというもの。手書きのイラストで、日常の中で起こった少しだけ不思議なことを表しました。『イヌと井戸とニンゲン』は森の中にポツンとある井戸にニンゲンが引きずり込まれてしまうというもの。可愛らしい人形と裏腹なホラーチックな展開に引き込まれました。『探求心』は、霧の中を歩いている女の子が建物を見つけ、その中に浮かぶ光に興味をもって歩き続けるというもの。3次元コンピュータグラフィックス (3DCG) で描かれる世界はとても幻想的でした。『Archive』は、浴槽の中に沈む写真を女性が一つ一つ紹介していくというもの。題材はシンプルですが、途中でノイズのように入る映像や色が少ない画面、音が女性の声と流水音のみなことも合わさって、じわじわと不安が押し寄せました。『めぐる』は「竹取物語」の終わりと始まりのその間。月に帰ったかぐや姫をテーマにしたものでした。月で暮らすかぐや姫は愛する人を思い出し、悲しみに涙を流します。最後には光る竹とおじいさんの後ろ姿が映り、また新たなかぐや姫の物語が始まることを予感させました。『外れ』は切り絵を用いて、人と人とのつながりをコミカルに表現しました。多彩な声とテンポよく進んでいくストーリーに、見ていて思わず笑顔になってしまいました。
その後、受賞者に制作についての意図やこだわり、大変さを伺いました。今回、椋田さんは欠席でした。大賞を受賞した山崎さんは、「コロナ禍の状況でも、見ている人がくすっと笑えるような作品を作りたい」と語りました。何事も続けることは難しいが、これからも制作を続けていきたいと語る受賞者に、大きな拍手が贈られました。
最後に集合写真を撮り、和やかな雰囲気で美術展が終了しました。
広島県Web公募美術展のその他の作品についても、12月31日まで専用ウェブサイトにて展示しています。素晴らしい作品をぜひご堪能ください。
« 片渕須直監督のティーチイン開催 清少納言が主役の新作についてコロナ禍でのエンターテインメントを活気づける作品『DIVOC-12』が上映されました! »