広島国際映画祭 HIROSHIMA INTERNATIONAL FILM FESTIVAL

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2021/11/20

「こんなに協力的な街ってありませんよ。感謝しかない」と白石監督語る

11月20日(土)『孤狼の血 LEVEL2』上映後、19:50からNTTクレドホール第1会場で白石和彌監督のトークショーが開かれました。

司会はフリーパーソナリティーのキムラミチタさんです。トレードマークの帽子を被り登壇した白石監督に、満員の会場から大きな拍手が起こりました。直前に行われたティーチインのプログラムでは監督デビューまでのいきさつを話した監督でしたが、本トークショーでは『孤狼の血 LEVEL2』について語りました。

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始めに「前作の『孤狼の血』の時は他の撮影があって映画祭に参加できなかったが、やっと来れてうれしい」と監督が話すと、会場から大きな拍手が起きました。なぜ続編がオリジナルになったかという質問に「役所広司さんが抜けた穴が大きくて、そのまま原作の続編は難しいと判断しました。そこでオリジナルストーリーを作ってみようかと思い、原作者の柚月裕子さんにも台本を見てもらってOKをもらいました。

前作は大神と日岡のミステリーもありましたが、今作はそれだけでは壁を越えられないのでアクションも入れてオーバーにしていき、結果1作目よりエンターテインメント色の強い方向に舵を切ったものになりました」と答えました。コロナ禍での映画制作について「一回目の緊急事態宣言からスタッフも役者も仕事がなく、それ以来で仕事が久しぶりだった。こんなに仕事が空くこともなく、何のために映画を作るのかを改めて考えることもできた」と制作時を振り返りました。

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 途中でさいねい龍二さんも登場。さいねいさんは主演の松坂桃李さんについて「前作より精悍になった」と語り、鈴木亮平さんについても「あれだけ売れても変わることなくいい人だ」と高く評価しました。娯楽映画でありながら広島の闇の部分を挿入したことについて監督は「エンターテインメントに社会問題を含めることで、知らなった人が話題にするようになる」とその意図を伝え、この映画で死んでいくのが虐げられた人たちばかりの理由を考えてほしいと語りました。

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ロケ地選びでは、家の中で目をくり抜くシーンや穴を掘って死体を入れて燃やしてもいい豪邸が必要だったため、中々OKを出してくれるところがなかったそうです。それでもなんとか貸してくれる所は見つかり、ロケ地の呉市について「呉市は寛容で市長も協力的だった。無理難題を突き付けても快く協力してくれる最高の人々で、感謝しかない。ロケ地マップも作成してもらい一生の宝物になった」と微笑みながら語りました。また、街中の激しいカーチェイスを市長自らが「ガンガンやってください」と応援してくれたと話すと会場は笑いに包まれました。

最後に、制作が決定した第3作について「まだ脚本は出来上がってはいないが、もちろんまた広島で撮ります」と声高に宣言すると、会場から万雷の拍手が巻き起こり、盛り上がったトークショーは幕を閉じました。

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