広島国際映画祭 HIROSHIMA INTERNATIONAL FILM FESTIVAL

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2021/11/21

観客の皆さんと対話したい、という監督の要望で質疑応答が盛り上がったイ・ヨンジュ監督『SEOBOK/ソボク』

11月21日(日)13:30からNTTクレドホール第1会場で『SEOBOK/ソボク』が上映されました。永遠の命を持つクローンの青年ソボク(パク・ボゴム)と、彼を守ることになった余命わずかな元情報局員(コン・ユ)が繰り広げる決死の逃避行を、2人の間に芽生える絆の行方とともに描いた韓国発のSFサスペンス・アクションです。 メガホンをとったのは、2012年にヒットした恋愛映画『建築学概論』から8年ぶりの新作となるイ・ヨンジュ監督。上映後、リモートで韓国のヨンジュ監督をつなぎ、トークショーが行われました。聞き手は、フリーパーソナリティーのキムラミチタさんです。

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 トークの冒頭で、11月20日に韓国で開催された「第41回黄金撮影賞映画祭」でソボク役のパク・ボゴムさんが新人賞受賞といううれしい知らせがあり、会場から拍手が沸き起こりました。

脚本も手がけたヨンジュ監督は「最初からSFと決めて書き始めたわけではなく、書くうちに発展してSFになっていた。人は何を恐れているかに関心があり、それを1作目のホラー映画『不信地獄』で描ききれなかったので、本作で表現した。人間の欲望はコインの裏と表。この先、成功するのかどうか、健康でいられるかどうか、分からないからこそ怖い。人間のそういう気持ちの揺れや、悩み、成長しながら克服していく姿を作品を通して伝えたかった」と作品への想いを語ってくれました。

主演の2人については「コン・ユには最初にシナリオを渡した。俳優としての実力、責任感もさることながら、映画全体のことを考え、配慮できる人間的にも素晴らしい人。パク・ボゴムは集中力が高く、クローンという特別な役にも演技指導が必要ないほどすぐに入り込んだ。特に目の演技は秀逸。ハードなアクションシーンも多かったが、2人とも運動神経が抜群で、相性も良く息が合っていた。武術の監督やスタッフも皆ベテランでプロフェッショナルに仕事をしてくれたおかげで、難しい撮影もひとつ一つクリアできた」とヨンジュ監督。

「実は、スケジュールの関係でラストシーンを最初に撮影した。流れが見えず現場に緊張感があったが、その後の撮影はスムーズだった」と撮影のこぼれ話も披露してくれました。

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 観客の皆さんと対話したい、というヨンジュ監督の要望で、会場からメールで質問を募集。広島国際映画祭代表の部谷京子も加わり、客席から寄せられた数多くの質問を監督に投げかけると、監督は一つひとつ丁寧に回答してくれました。撮影時のムード―メーカーはだれ? という質問に「私です」と監督が即答すると、客席からはどっと笑いが起こる一幕も。作品を何度も観たという観客も多く、監督は日本語で「ありがとうございます」と感謝を述べていました。

最後に「日本は韓国に一番近い国であり、映画やアニメなど文化的な影響も受け合っている。感情を分かり合え、心理的な距離も近い。チャンスがあれば、日韓で作品を作れるといいと思うし、自分も広島を訪れ、撮影ができるときがくればうれしい。双方の国が影響を与え合いながら、成長できれば、と思う」というヨンジュ監督のメッセージでトークショーが締めくくられました。

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