広島国際映画祭 HIROSHIMA INTERNATIONAL FILM FESTIVAL

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2021/11/20

より幅広く作品を鑑賞してもらえることがうれしい『きみの瞳(め)が問いかけている バリアフリー版』三木孝浩監督

11月20日(土)14:30からNTTクレドホール第1会場で『きみの瞳(め)が問いかけている バリアフリー版』が上映されました。

不慮の事故で視力と家族を失った明香里(吉高由里子)と、罪を犯してキックボクサーとしての未来を絶たれた塁(横浜流星)が出会い、生きる気力を取り戻し再出発しようとするラブストーリーです。メガホンをとったのは三木孝浩監督。上映後は、リモートで三木監督によるトークショーが行われました。聞き手は映画コメンテーターの鈴木由貴子さんです。

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本作は韓国で大ヒットした『ただ君だけ』のリメイク作品であるとともに、盲目の花売り娘のに無償の愛を注ぐ男を描いたチャールズ・チャップリンの名作『街の灯』が原点にあります。完全バリアフリー版の本作では、音声ガイドナレーションと日本語字幕が付くほか、上映前とトークショーでは舞台上で手話通訳が行われ、小型スクリーンに要約筆記が映し出されました。手話は一般社団法人広島県ろうあ連盟広島県手話通訳派遣委員会、要約筆記は特定非営利活動法人広島市要約筆記サークルおりづるの皆さんによって行われました。

『僕等がいた』など、みずみずしい恋愛映画を数多く手掛けてきた三木監督ですが、実は大の格闘技好き。本作のアクションシーンに意欲を見せ、オファーを二つ返事で受けたと言います。「国際青少年空手道選手権大会で優勝経験のある流星くんは、撮影前にキックボクサーのコーチのもとで練習し、筋肉を10キロ増量して撮影に臨みました。吉高さんとは撮影前に東京視覚障害者生活支援センターを訪れ、フライパンにひく油の量を指で確かめる所作など、障がい者の日常の動作などを学びました」と主役2人のエピソードを披露。

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本作品で監督が重視し、工夫したのがライティング。「2人の幸せのピークを象徴するキスシーンを包むあたたかい光にこだわりました。このシーンを際立たせるため、相対的に別のシーンを暗くしたりもしています。また、明香里に出会い、塁の目が輝きをとり戻していく様子を流星くんの前髪の長さを変えて演出しているんです」とも。

BTSが主題歌「Your eyes tell」を歌っていることでも話題になった本作。オリジナルが韓国作品でもあり、ダメもとでBTSへオファーしたところ、『ただ君だけ』はメンバーも好きな作品で、とんとん拍子に話が進んだとのこと。

「バリアフリー版として、より幅広い方々に作品を鑑賞してもらえる機会が増えてうれしい。これからも、映画のキャラクターが作品の中で成長していく物語を描いていきたいです。子どもの頃から大林宣彦監督の大ファン。機会があればぜひ、広島を訪れたいです」という三木監督のコメントに、会場から大きな拍手が送られました。

三木監督の次回作として2022年夏に公開予定のハートフルコメディ『TANG タング』が控えています。

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