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11月19日(金)14:00から広島市西区の横川シネマで『THEATERS』が上映されました。
新型コロナウィルスの感染拡大により苦戦を強いられているミニシアターが、これからも文化発信の場所として在り続けてほしいという想いで、沖正人監督が企画・プロデュースを行いました。賛同した山口雄也監督、中村公彦監督、鈴木太一監督の4人が、映画館をテーマに全国各地で短編を撮影したオムニバス映画です。撮影は埼玉、神奈川、広島、秋田の映画館で行われました。
作品の上映後、横川シネマ・溝口徹支配人の司会によるトークショーでは、4人の監督が揃って登壇しました。 埼玉県在住で地元の酒蔵をリノベーションして作られた映画館、深谷シネマで『銀幕エレジー』を撮影した山口監督は、コロナで生活が変わった人は多いと思うが、再生し、やり直せる話にしたかった。地元のフィルムコミッションの協力を得て、とてもやりやすい状況で撮影ができたことを感謝していると語りました。
横浜のジャック&ベティで『シネマコンプレックス』を撮影した中村監督は、パワハラ、ギャラの未払、主演が事件を起こして公開中止など、ここ5、6年で日本の映画界で起きたことから拾いだしたピースが固まって1つの物語ができあがった。映画業界以外にも当てはまることかもしれないが、最後は笑って終わりたいという思いで撮影したと話しました。
横川シネマで『俺と映画と、ある女』を撮影した東京出身の鈴木監督は、2012年に初めて監督した長編映画を上映してもらった映画館は僕にとっては神のような存在。その1つである横川シネマで撮影し、上映してほしかったという想いがある。作品を観てもらいたくてチラシを配り、舞台あいさつで各地の映画館を巡った自分の話を骨格に、新しい要素を盛り込んで作ったと語りました。
そして、広島県江田島市出身の沖監督は秋田県にある御成座を舞台に『colorful』を監督しました。監督はインディーズ出身で仲のいい監督に声をかけ、各自が思い入れのある映画館を舞台に選ぶことで今回の企画が実現した。島育ちの自分にとって子どもの頃に映画を観に行くことはディズニーランドへ行くのと同じくらい楽しみでわくわくすることだった。特別な場所だった映画館への思いを込めたと語りかけました。 沖監督の作品に山口監督が助監督で参加したり、鈴木監督の作品に沖監督がキャストとして登場したりと、監督同士が協力し合いノウハウを共有し4作品とも2~3日で撮影を行い完成させたそうです。「劇場が舞台になることで、映像として作品に記録されることがありがたい」と溝口支配人。各作品の出演者らも登壇し、舞台は華やかににぎわいました。
『THEATERS』の一般公開はこのたび上映が初で、12月には北海道で上映が予定されています。沖監督は「来年の春から夏にかけて全国のミニシアターを行脚したい」と抱負を語りました。