広島国際映画祭 HIROSHIMA INTERNATIONAL FILM FESTIVAL

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2021/11/20

オープニング上映~トークショー終了後『映画 太陽の子』黒崎博監督による「ティーチイン」

 11月19日(金)15:00からNTTクレドホール第2会場で『黒崎博監督ティーチイン』が開催されました。

司会進行は広島フィルム・コミッションの西崎智子さんでした。西崎さんからの参加のお礼の言葉を受けて監督から「呼んでくれてありがとう」との返しがあり、ティーチインはスタートしました。

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先に、監督のNHK広島放送局時代の作品2品について。

1つ目は『帽子』(2008)。放送局内に帽子屋のロケセットを作った話。背景に映る本棚の本は、その場の雰囲気や空気感を出すため当時の物を集めた事などのエピソードを語ってもらいました。2つ目は『火の魚』(2009)。原田芳雄さんが、「さいごっぺ」と言われたのもあり、撮りたいように撮っていけたと思い出を語っていました。

映画もドラマも撮られているので、それぞれの違いについての質問に対して、それぞれの向き合い方の違いはあるものの、仕事としては同じで、表現したいもの、出演者、スタッフ、それぞれに向き合うと答えられていました。

本日上映&トークのあった『太陽の子』(2020)については、10年以上前のNHK広島放送局時代に図書館で見つけた京都大学原子物理学の研究者、清水栄の原爆投下戦後の日記を披露していました。多くの日記を日付毎に時系列で紹介してもらいました。その内容が、少しずつストーリーになっていったと説明をしていました。

また、研究室は解散になったので、その後の研究者がどうなったか取材で全国を回ったお話も聞けました。ロケ地にも拘り京都大学にご自身で交渉に行った話。コンシャスとアンコンシャスの共用が必要で、国の為か、研究がしたいか、自分のしたいことをするのか。戦時下の多方向からの視点を論じていました。

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参加者からのトークショーで「戦争には勝ち負けはない」と言われたことについて質問があり、「国が負けたのではなく日本の科学が負けた。科学として悔しい反応にしている」と答えていた。また、勝ち負け、どっちかに決めると、どこかで見たことのあるものになる。超越した自分の作品を作りたかったと言われていました。

最後に、この映画祭が温かい事。広島に対する恩、広島の土地の力、また広島で何かの物語を作りたいと、広島への思いを言い、他では聞けない濃い内容のティーチインは終了しました。

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