11月15日(金)短編コンペティションAグループの上映後に開催されたトークショーは、全5作品中4作品の監督が登場されるという豪華な内容に! わずか30分という短い時間でしたが、それぞれにご自身の作品への思いや、撮影エピソードを披露していただきました。
●西中 拓史 監督/作品『サルビア』(日本・2014)
大学生時代に友達が書いた企画が元になっています。今まで自分が生きてきた中で、心に引っかかるものがあって、例えば福知山線の脱線事故とか、東日本大震災とかですね。そういうものが、今回の作品につながっていると思います。どちらもすごく衝撃的でしたが、今回はあくまでも家族のあり方を中心に据えた映画なので、あまり背景に引きずられないように、バランスを模索しながら制作しました。最近、自分の作品を観てくれた方からよく「西中さんの匂いがする」と言われることがあるのですが、今回の作品では自分でも「これが自分の色なんだな」と感じるところがあったと思います。
●김 현규(キム ヒョンギュ)監督/作品『君の奥さんと旅行したい』(韓国・2013)
大学生の時に、ある女性を好きになったのですが、私が兵役に行っている間に友達と付き合っていて、失恋しました。そんな自分の経験から着想を得た作品です。今回は死というシリアスな題材を扱いながらも、ユーモアを散りばめ、楽しい作品になったと思います。この映画は愛と友情を描いた作品です。愛は何年か経つと友情に変わりますし、友情も何年か経つと愛に変わる。そんな思いを込めています。
●洪 馬克(マーク アン)監督/作品『Replace』(台湾・2014)
台湾で大きく取り上げられた自殺のニュースと、友人の実体験を元にストーリーを考えた作品です。今は予算の都合で15分のショートフィルムですが、いつかは長編として発表したいと思っています。エンドロールで、本編になかった写真やシーンを流しましたが、長編として完成させた時に描かれる予定のシーンです。ぜひ楽しみにしていただきたいです。
●林 子 堯(リン ヅー ヤオ)監督/作品『公寓(Terminate the Cycle)』(台湾・2014)
最初に脚本を読んだ時、これまでにあまりない作品になると思いました。私はもともとフォトグラファーだったということもあり、現場で役者と対話しながら、表現を模索しながら撮影を進めました。この映画を観て、人によってはラブストーリーのように思われる方もいるのですが、もともとの脚本や私自身には、そういう狙いはないんです。皆さんがどんな風に感じられるか、とても興味深いですね。