11月15日(土)午後4時半から、コンペティションBのトークショーが行われました。コンペティションBには、「上を向いて」(日本)、「The Pool Man」(台湾)、「TIANPING ROAD」(中国)、「Ghost Dolls」(日本)、「慢呑呑小学 The Snail School」(台湾)の5作品がノミネートされています。その中からトークショーには、「Ghost Dolls」に出演した俳優の佐渡山順久さんと「慢呑呑小学 The Snail School」のウェイン・チュウ監督が参加されました。
「Ghost Dolls」は、幕末を舞台にした時代劇です。佐渡山さんは、胸から木が生える奇病で死亡した男性の“生人形”役という一風変わった役を演じました。脚本をもらった時には「セリフが少なくて驚きましたが、台本に書かれていないことが映像に現れていて、監督の才能を感じました」と明かします。映画の中では、台車に乗せられた生人形が娘に会いに行くというシーンが静かに映されます。「映画に込めたテーマは“愛”だと思います。行方不明の父を見世物小屋へ捜しに行く娘。その娘に恋する男の子。作り物の人形なのに、命を吹き返して娘に会いに行く父など、さまざまな愛が込められているんです」と力を込めました。このほか、撮影の前にシリコンで自分の人形の型を作ったときに、息ができなくて苦しかったエピソードも披露し、会場を沸かせていました。
「慢呑呑小学 The Snail School」は、廃校になる小学校に通う女の子が主人公のファンタジックな映画です。「すべてがゆっくり見える」という個性を持った女の子には、校長先生のくしゃみのしずくや、弾け飛ぶポップコーンがスローモーションのように見えます。ウェイン・チュウ監督は「今の社会は生活のリズムが速く、ゆっくり周りを見られない人が増えています。主人公の女の子のようにスピードを落として周りをよく見てほしい」とのメッセージを込めたそうです。また、台湾では廃校になる田舎の学校が増え社会問題になっています。映画を撮影した学校も20年前に廃校になった校舎を使ったそうです。テレビドラマの脚本などを手掛けてきたウェイン・チュウ監督は、本作から映画監督として新たなステージに足を踏み出しています。広島には初めての訪問です。「静かな街で人も親切。宮島も空や建物の色がきれいでした」と、街の雰囲気を気に入った様子。今後、広島を舞台にした映画にも期待が膨らみます。
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