広島国際映画祭 HIROSHIMA INTERNATIONAL FILM FESTIVAL

2015.11.21 Sat. - 23 Mon.メイン会場:NTTクレドホール

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2014/11/15

11月15日(土)11:00~戸川蛍(とがわけい)さんの追悼上映会が行われました。

15日11時から、今年の8月20日に甚大な被害をもたらした広島市の土砂災害で、32歳という若さで亡くなった広島市立大学非常勤講師の戸川蛍(とがわけい)さんの追悼上映会が行われました。(司会は広島FMでもパーソナリティを務める宮前道子さん)

パーソナリティ宮前道子さん
戸川蛍追悼上映

 

追悼上映会ということで、戸川さんの同僚であり大学時代の指導教授でいらっしゃった中嶋健明先生と笠原浩先生をゲストにお迎えして、3つの映像作品と制作裏話を交え、戸川さんの功績を振り返る貴重な時間となりました。

 1つの作品の上映時間は、短いもので2分弱。長いものでも7分程度のいずれも短編の映像作品ですが、1度見たらその独創的な世界に引き込まれること必須です。

 戸川さんが自身の作品スタイルとして生み出す唯一無二の独創的な世界観の起源は、彼が学部時代に所属していた映画研究会というサークル活動に遡ります。そこで培ったシナリオ重視の映像制作の「癖」を、笠原先生の細やかな指導のもと、映像に音楽を被せるのみのビジュアル重視に方向性を変えて、「あえて行間をつくる」映像作品を実現させました。

 宮前さんからの戸川さんの人物像を尋ねる問いに、中嶋先生と笠原先生は戸川さんがまるでそこにいらっしゃるかのような語りぶりで、作品に対する真摯な姿勢(神がかり的とも)は誰にも負けないほどで、職人気質の寡黙な方だったと口を揃えて仰っていました。時 折、声を詰まらせながら、「すごい…ほんと。他にいないくらい優秀な作家。」と中嶋先生。

 土砂災害によって溢れる若い才能は失われてしまいましたが、映像と共に戸川さんの映像制作にかける信念はしっかりと残っています。彼が作品に込めたメッセージや価値を後世の映像クリエーターに繋いでいくことが残された者の課題であるといえるのではないでしょうか。

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