広島国際映画祭 HIROSHIMA INTERNATIONAL FILM FESTIVAL

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2023/11/25

絵とネパールに魅せられて~イ・ジョンウン監督のトークショー

11月24日(金)15時15分から横川シネマ会場で『アンナプルナのキム・サー』が上映されました。絵画を通じて希望や感謝を伝えるドキュメンタリー映画です。

イ・ジョンウン監督トーク

上映後、韓国のイ・ジョンウン監督によるトークショーが行われました。聞き手は広島フィルムコミッションの西崎智子さん。通訳は森沢ひよりさんです。

冒頭で「沢山の方がいらしてくれて嬉しいですし、途中で帰る人もいなくて嬉しいです」と監督から挨拶がありました。前日は献花に参加しましたが、監督の提言により、韓国人原爆犠牲者慰霊碑にも行くことにしたと西崎さんから紹介がありました。「1945年は日本人も朝鮮人・韓国人も多くの方が被害にあったことを心に刻んでいます」と当時に思いを馳せていました。

イ・ジョンウン監督トーク

主人公のキム・ギュヒョンさんとの出会いについて聞かれ、5年前に違うドキュメンタリーでネパールに行った時にSNSを通じて、ネパールで絵を教えている人だと知ったそうです。

74歳のキムさんは余生を全ての子供の為に生きているということを知り、このことを世界に知らせたいと思い長い手紙をキムさんに書いたところ、美化して届けることをしないことを条件に引き受けてもらえたそうです。それから現地に滞在し始め、キムさんとネパール人との交流を描き始めました。

生活の中で、サー(Sir : 爵位)は一人だけという理由から、監督はキャプテンと呼ばれました。子供たちが絵を書いている時には、監督から子供に話しかけることはせず、できるだけ子供たちが気にならないように気を使ったそうです。絵が明確なので質問の必要がありませんでしたと話を続けられました。

イ・ジョンウン監督トーク

ネパール人の印象についての質問には「純粋な方々で怒ったところを見たことがないし、口喧嘩も言い争いも見たことがない」と答えていました。また、ネパールで上映はされたのか?という問いに、予定はあったが実は広島国際映画祭の日と重なったので広島を選んだと話すと、会場から拍手が沸き起こりました。広島で映画の反応が良かったので、それを持って帰ってネパールで上映すると意気込みを語りました。

広島で初出しの面白い話として、劇中曲はキムさんのご子息が伝統音楽をアレンジしたものだったり、「トウラ」というヤギの名付け親は監督のお嬢さんだったということも明かしていました。

8月には韓国にキムさんが訪れ展示会をしたそうです。監督が行く前に子供たちの絵は全て売り切れていたので、先生の絵を買って会社に飾っていると教えてくれました。広島でも展示会をしたいと話し、西崎さんが「キムさんも来てくれますかね?」と尋ねると、力強く「絶対に来る!」と答え、次回の広島での展開について触れながらトークショーは終了しました。

イ・ジョンウン監督トーク

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