広島国際映画祭 HIROSHIMA INTERNATIONAL FILM FESTIVAL

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2023/11/25

映画『ファミリア』を通じて想う家族のカタチ

2023年10月24日(金)18時15分から横川シネマで映画『ファミリア』の上映が行われました。

『ファミリア』トーク

山里でひとり孤独に暮らす陶芸職人・神谷誠治(役所広司)。一流企業のエンジニアとしてアルジェリアに赴任中の自慢のひとり息子・学(吉沢 亮)が、現地で結婚した妻のナディアを連れて帰って来る。滞在中、半グレ集団に追われて逃げて来たブラジル人青年マルコスを、神谷親子がかくまったことから、ブラジル人たちとの交流が生まれる。しかし半グレたちの嫌がらせは酷さを増し、アルジェリアに戻った学にも大きな不幸が…。

上映後、広島日伯協会理事の堀江剛史さんを迎えてトークショーが開かれました。司会進行は広島大学大学院 総合科学研究科で移民研究をしている小松正幸さんです。

『ファミリア』トーク

日本で暮らす日系ブラジル人が増えたのは、ハイパーインフレで失業者が増えたところに、1990年の日本の入管法改正で日系三世まで定住権が得られるようになったことが大きなきっかけとなったそうです。日本を代表する企業の工場があり多くの労働力を必要とする愛知県に大量の移民が増えましたが、リーマンショックによる雇い止めによって彼らは仕事を求めて全国に散らばることになりました。

解説の後、いくつかの質問が会場から出ました。「映画に出てくるようなにぎやかなパーティーはリアルなの?」という問いには、「あれこそがブラジル人の本質です。が、ついつい羽目を外して日本人から苦情も来ることがあるみたです」と回答。

また、「ブラジルに移住した人でも成功者とそうじゃない人がいたのでは?」という問いには、「大島 渚監督夫人 小山明子さんのおじさんは、アマゾンで麻を栽培し珈琲豆用の麻袋を販売して大儲けしたようですよ」と回答されました。

『ファミリア』トーク

最後に「ブラジルは人種のるつぼ。なぜならブラジルで生まれた人は誰もがブラジル人になれるから。でも日本ではそうはならない」と堀江さんが語り、「映画タイトルのファミリアは家族。作品同様、国籍も育った環境も違う他人でも家族になれるんだと思いたいですね」と小松さんが締めてトークショーは終わりました。

『ファミリア』トーク

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