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11月26日(日)14時からNTTクレドホール第1会場で濱口竜介監督の最新作『悪は存在しない』ジャパンプレミアが行われました。
本作は自然豊かな長野県のとある町が舞台。政府からの補助金を得て町にグランピング施設を作ろうとする芸能事務所と、村で暮らす人々のやりとりの中に両者の動揺が描かれています。第80回ベネチア国際映画祭で銀獅子賞、ロンドン映画祭コンペティション部門で作品賞に輝いた話題の作品ですが、今回が日本初上映となりました。
上映後には濱口竜介監督と、音楽を担当したシンガーソングライターの石橋英子さん、キャストの大美賀均さん、西川玲さん、小坂竜士さん、渋谷采郁さんがレッドカーペットを歩いて登壇しました。フリーパーソナリティーのキムラミチタさんを聞き手に、トークショーが行われました。
濱口監督と石橋さんの出会いは、広島が主なロケ地となった『ドライブ・マイ・カー』です。濱口監督は「あのときは広島で素晴らしい経験をして、石橋さんともいい仕事ができました。今回の作品はその続きにあるので、今日広島で上映することができてとても嬉しいです」と話し、観客から温かい拍手が贈られました。
実は本作の企画は、石橋さんが濱口監督に自身のライブパフォーマンス用の映像の制作を依頼したことから始まったそうです。音がない映像に生演奏を組み合わせるスタイルでの上映を想定していたものの、濱口さんがいつも通りに作ったほうがもっと面白いものができると製作途中に感じた石橋さんが、それを提案する形で本作が生まれたのだと明かしました。当初のサイレントでの企画は、上映時に石橋さんが即興で生演奏を組み合わせる作品『GIFT』として11月23日(木)に東京でジャパンプレミアを迎えました。
キャストの大美賀さんと小坂さんは、もともとは濱口監督の作品のスタッフなんだそう。濱口監督がふたりに出演を打診し、俳優として参加しています。「役者側の経験をすることはスタッフを続けていく上でもいい経験になると思い参加しました」と大美賀さん。小坂さんは「サイレント映画だからと誘われたのに、6ページも台本が届いたんですよ」と話し、会場は笑いに包まれました。
西川さんは「こうやってマイクを持って大勢の前で話すのは初めてです。撮影でもみんなでお弁当を食べたり、丁寧に本読みをしてもらえたりして楽しかったです」と話し、和やかな雰囲気に。渋谷さんは「きっと今みんな同じものをいいなと思っているんだなという瞬間がありました。本当に幸せでいい経験になりました」と笑顔で製作時を振り返りました。
最後には「この作品は思いもよらないところまで飛び出た感じ。自由にこのまま泳がせて、どうなるのか見てみたいです」とあいさつした濱口監督。本作は2024年4月26日(金)から全国の映画館で公開予定です。