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18時から広島映像文化ライブラリーにて『異人たちとの夏』が上映されました。映画コメンテーターの鈴木由貴子さんから大林監督のプロフィール紹介が終わると、会場の拍手とともに大林監督が登壇されました。
広島国際映画祭で上映する作品『異人たちとの夏』の選定理由について監督に質問すると「この映画はなかなかファンが多く、自分でもよくできた作品だと思っています」と、トークショーが始まりました。「うちの俳優さんは映画を他人事ではなく、自分のことと考えて映画に出演しています。撮影現場には台本を持ってくる俳優さんはおらず、みんな頭の中に入れてきていますよ」と大林監督。さらに、「企画台本というものはあるが撮影台本はありません。撮影台本は映画の設計図のようなもので、うちの役者さんたちは自分の中で撮影台本を作っているのです。僕が言わなくても自分の撮影場面でもない時でも必ず、現場にいてくれます」と、大林組の映画現場について語られました。
「『野のなななのか』には、常盤貴子さんと安達祐実さんが出演していますが、台本では二人が共演する場面はありませんでした。しかし、安達祐実さんの撮影シーンで後ろから彼女と同じセリフが聞こえ、振り返るとそこには常盤貴子さんの姿が。二人の主演女優がいるのに共演させないわけにはいかないと思いました。映画のポスターの写真もこの出来事で生まれました」と、映画撮影の裏話についても語られました。
さらに「山田洋次監督は、僕の映画を自由に成長しているから処女作もなく、引退作もないと評価してくれる。誰もやっていないことをやり続けるのが僕の作品。もし、映画が最初からカラーだったらどうだったのだろうと思います」と、大林監督の作品の魅力について語られ、翌23日に上映される作品『野ゆき山ゆき海べゆき』と『あした』の紹介でトークショーは終わりました。
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