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24日(日)14:30から広島市映像文化ライブラリーで『オオクノシマ』と『トーテムと鉱石』の上映、フリッツ・シューマン監督とジョン・マンデルバーグ監督のトークショーが開かれました。『オオクノシマ』は、アジア最大の毒ガス製造工場が存在した大久野島の真実を追求した作品。『トーテムと鉱石』は広島の原爆と、知られざるアボリジニ(オーストラリア大陸と周辺島しょの先住民)の被爆とウラン鉱山の話です。
上映後、フリーアナウンサー藤井尚子さんの司会、ポーリーン・ボールドウィンさんの通訳でトークショーが始まりました。 作品を作るきっかけは、という問いかけに、シューマン監督は、広島に交換留学で来た時に知った大久野島のことを掘り下げたかったからと答えました。 マンデルバーグ監督はアボリジニの真実を描いたB・ウオンガの著書を読んで衝撃を受けたからとのこと。 お互いの作品について感想を聞かれると、シューマン監督は「戦争は終結しても、関わった人には終りがないことが描かれているのは自分の作品と近い気がする」と感想を言いました。マンデルバーグ監督は「ドキュメンタリーは実際に経験した人を歴史に残す作業。この作品は自分のものとつながる気がする」と語りました。
『トーテムと鉱石』の中で、アボリジニのリーダーが「福島原発は自分たちのウラン鉱石を使っていたから、あの事故には責任がある」と語ったシーンが印象的だったという観客からの感想に、マンデルバーグ監督は満足そうでした。来広中(11月24日)のローマ教皇に対して何かメッセージをとの問いかけに、2人は広島・長崎を知らない人々に実情を広めてほしいと答えました。
最後に「この映画祭を通して、二つの作品が世界で公開されたら意義がある」と藤井アナウンサーが締めくくりトークショーは終わりました。
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