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広島国際映画祭と映画遺産の保存を目的としたフランスの文化施設「シネマテーク・フランセーズ」との初のコラボレーション企画。広島市映像文化ライブラリーで開催している「アンリ・ラングロワ特集」が2日目を迎えました。アンリ・ラングロワとは何者か?を語るうえで重要となる『ラングロワの影』と『市民ラングロワ』の2作品を上映。ラングロワをよく知る2人が撮ったドキュメンタリーは、世界中の映画人が敬愛する英雄の姿を会場内に映し出しました。
上映後は、シネマテーク・フランセーズのプログラム・ディレクターであるジャン・フランソワ・ロジェさんと、東京国立近代美術館フィルムセンターの主任研究員の岡田秀則さんを迎えトークショーが開催されました。昨年、ラングロワ生誕100周年を記念して、フランスのシネマテーク・フランセーズでラングロワの展覧会が開催されたことに触れ、どのような展覧会だったのかという質問に。ロジェさんは「モダンアーティストとしてのラングロワを表現しました。ジャガールやマティスに関する映画も撮ったことのあるラングロワならではの、モダンアートとの関わりを全面に押し出した展示会となりました」と話しました。
また、シネマテークとして、フィルムのみならず映画作品に関わるすべての資料(ポスター・写真・衣裳・シナリオ・小道具・衣裳・映画人の遺品など)の保存をすべきと考えている思いを語りました。ラングロワは〝映画を保存する〟という思いが強く、保存すること、見せること、展示することの3つを軸にシネマテーク・フランセーズを創設しました。その後継者として現在、シネマテーク・フランセーズでプログラム・ディレクターを務めていることを誇りに思うとロジェさん。どんな映画にでも簡単にアクセスできる現代だからこそ、映画の歴史やそのかけがえのない価値を伝承していくシネマテークの存在は必要だと続けました。広島のシネマテークである広島市映像文化ライブラリーに向けて、映画を文化として守っていく素晴らしい機関であるとエールを送り、トークショーを締めくくりました。
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