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『シミラー バット ディファレント』の上映後、染谷将太監督、菊池健雄監督、金林剛プロデューサー、岡本英之プロデューサーのトークショーが行われました。聞き手はフリーパーソナリティーの木村ミチタさんです。
木村さんから3人との関係をたずねられた染谷監督は、子役のころからの付き合いで今では飲み仲間。自分たちで何かやりたいと自主制作映画に挑戦し、高3の時から撮り始め、スピンオフ映画を作ったのが撮り始めたきっかけと紹介しました。
「どんな作品でしたか」という木村さんに、染谷監督は「人と人、人と物、時間の中で歯車が狂ったり、かみ合ったり、二つが同居しなくても動いていく物を男性と女性で表現したかった」と作品への思いを語りました。
「(染谷さんは)監督としてはどうですか」という木村さんの問いに、岡本プロデューサーは「演出について色々言うんですが、その後忘れてくれと言うから、むかつきますよね」と回答。それを受けた染谷監督は「自分が演じる時、本番前にゼロになるのが好きで、準備していた物も全部忘れてしまうくらいのほうがちょうど良いと思っているんです。ただ、他人に指導する時どうしたら良いか試してみたかったんです」という本音も飛び出しました。
金林プロデューサーからは「(染谷監督は)欲望に対してストレート。準備する時間もないのに、この撮影にはトラックが必要だからやりたいと言うんですよ。新人らしからぬ発言が多いですね」と染谷監督の映画製作へのこだわりを紹介。
菊池監督からは「染谷監督は役者がリラックスして演技できる雰囲気を作るのがうまく、自分では出来ないので教えてもらいたいな」と、本音を語っていました。
染谷監督は「役者として本読みは苦手だが、監督としてやってみたかった。その場で全体の温度感や音を確認し監督としての準備をしたい。監督の立場になって、本読みは監督の為にあると思った」などと、監督経験を通しての発見を熱く語っていました。
客席から劇中に使われたスローモーションの意図に質問が寄せられると、染谷監督は「この映画は時間の構成に矛盾が出ており、その矛盾を成立させる為にスローモーションを使いました。ただ16ミリ撮影しているので、スローモーションにすると4倍のコストがかかる。カメラの佐々木さんにもすすめられましたが、映画はやっぱりフィルムだと思うんですよね」と、映画への熱いこだわりに観客からは大きな拍手が起こりました。
途中飛び入りした広島国際映画祭の部谷代表から、超多忙な染谷さんにハードなスケジュールの中を映画祭に参加してもらったことへの感謝と、新作での参加をお願いするというラブコールに、会場からはより一層の拍手が起こりました。
最後に「自主映画を撮り始めたときは、表現の仕方はわがままで観客の事を考えていませんでした。こうして自分の作品をたくさんの人に観ていただく事が、自分にとっての励みにもなりますし自分を豊かにしてくれます。また頑張っていくのでよろしくお願いします」という染谷監督からの挨拶でトークショーは締めくくられました。