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11月23日(月) 11:30からNTTクレドホール第一会場で『太陽が落ちた日』の上映後、メガホンを取ったドメーニグ綾監督のトークショーが行われました。聞き手はRCC(中国放送)の吉田幸アナウンサーです。
スイス在住のドメーニグ綾監督が、5年間のうち7回来日し、リサーチと撮影を重ねたドキュメンタリー作品です。
トークショーで、この作品を撮ろうと思ったきっかけは「祖父が被爆者を治療した事は、幼い頃から知っていたけれど、当時の事を家族の誰にも語ろうとしなかったんです。祖父と長年連れ添っていた祖母も高齢になってきたので、これは絶対伝えるべきことだと思いました。最初は資金もないし、家族のためだけに撮ろうかとも思いましたが、福島の原発事故が起こり、みなさんに観ていただける映画にしなければ、と奮起。プロデューサーを探し、撮影を始めました」と話しました。
「原爆を体験された方も反応は様々で、祖父のようにかたくなに口を閉ざす人もいれば、内田さんや肥田先生のようにご自身の体験や、ないものとされそうな内部被爆について伝えようとする人もいらっしゃる。声をあげようとする人たちをフォローしなくてはいけないと思いました。看護婦をされていた5人の女性たちに被爆後の惨状を語ってもらったのですが、明るく楽しく話そうとされるので、とても勇気をもらいました。命を愛されているんですね。生きることの大切さも学びました。原爆の背景に人々がいることがよくわかります」と語ります。
作品中、ご夫婦のエピソードをとても素敵な笑顔で話されていた監督のお祖母様も、撮影中に亡くなられたとのこと。「それだけにとても意味のある映画になりました。今作を初めて上映したのはスイスでの映画祭でしたが、上映後にたくさん質問を受けました。スイスの方々はホロコーストについては詳しくても、日本の歴史についての知識はあまりないようでした。70年前と現代に起きたことをつなげていた所にも興味を持ってもらえたのでしょう。今作でみなさんに日本の出来事について伝えることができる、その力を与えてもらえることに感謝します」とも。
「原爆は70年前に起きたこと。これを単に歴史としてとらえるのではなく、福島の原発事故に教えられたように、歴史は繰り返される。一人一人が、自分の責任について考えるきっかけになったのではなkでしょうか」と話しました。
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