広島国際映画祭 HIROSHIMA INTERNATIONAL FILM FESTIVAL

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2023/11/25

国際短編映画コンペティション 上映後インタビュー⑤ 『ラ・マヒ』成瀬都香監督

11月24日(金)16:35から、NTTクレドホール第1会場で国際短編映画のコンペティションノミネート作品として上映された『ラ・マヒ』の成瀬都香監督にインタビューしました。

Q.主人公と同程度に彼氏のほうにも共感を覚える人も多いと感じ、彼氏にはどういった役割や意味を持たせていたのですか?

A.当初はより意地悪な演出を構想していたのですが、周りの助言をもとに憎めないキャラに設定しました。より身近に感じられるよう、共感を得られるように控えめな演出を心掛けました。特に小麦粉のシーンは強くはたくのか、もっと抑えてはたくのかで心情のコントロールをしていました。また彼氏役の俳優は撮影期間が短く、撮影開始から数日間の内に泣くシーンを求められました。

コンペBインタビュー

Q.三谷監督作品に影響を受けているとお聞きしましたが、『ラ・マヒ』において参考にした場面はありますか?

A.リングのシーンにおいてプロレスが上手な人ほどゴムがしなるため、その周囲の人員の配置に気を付けました。カメラに少ししか映らない場面でも小物の配置やエキストラの演技に注力しました。

Q.テイク数を重ねた場面など、撮影時に最も力を入れたシーンを教えていただけますか?

A.撮影自体はスムーズにいきました。ただプロレスという格闘技シーンが続く撮影なので、キャスティングも運動の出来る人物に絞り、骨折など危険の伴う撮影場面ではケガのないことを必死に祈っていました。

Q.主人公がプロレスを始めてトレーニングを行うシーンでは、軽快な音楽に合わせて多くの短いカットが繋ぎ合わされており、映画『ロッキー』のトレーニングシーンを彷彿させましたが意図はあったのでしょうか?

A.世の中にある全ての、全てと言うといつも怒られますが(笑)、国内外にある沢山のプロレス映画やボクシング映画を観ることでイメージを集めました。トレーニングシーンではそのイメージに合わせて編集しました。

コンペBインタビュー

Q.映画製作を始めたきっかけを教えてください。

A.幼少期は内気であまり自分からコミュニケーションを取るタイプではありませんでした。しかし映画館に行くと、孤独な人もそうでない人も様々な人が集まり、同じ空間で一つの映画を観ることで孤独を忘れられ、映画の魅力というものを感じることが出来ました。 映画制作にあたってはどんな映画でも自分一人で完成させることは不可能であり、必ず人と関わらなければなりません。だからこそ制作を通して、映画という共通言語から社会性も身に着けることが出来ました。以前「息をするように映画を作っているね」と言われたことがあり、まさにその通りだと思います(笑)。 また私の映画制作のモットーとして、私の映画を観て「もう少し頑張ろうかな、明日も頑張ろうかな」と観客に希望を持ってもらえるような作品を作りたいと思っています。

成瀬都香監督から広島国際映画祭へメッセージ
「『広島』という土地で映画を上映することには大きな意味があると思っているので、これからはもっと『世界』に発信していきたいですし、してほしいと思っています」

コンペBインタビュー

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