広島国際映画祭 HIROSHIMA INTERNATIONAL FILM FESTIVAL

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2023/11/24

国際短編映画コンペティション 上映後インタビュー③ 『ガールズ・ゴット・ゴールズ』佐藤未来監督

11月24日(金)14時から、NTTクレドホール第1会場で国際短編映画のコンペティションノミネート作品として上映された『ガールズ・ゴット・ゴールズ』の佐藤未来監督にインタビューしました。

コンペAインタビュー

佐藤監督は神奈川県生まれのアーティスト。2019年に東京藝術大学 大学院 映像研究科 メディア映像専攻修士課程を修了。世界に先駆けて同性婚や安楽死を導入しているオランダの社会民主的な考え方に惹かれて、現在日本とオランダの2拠点で活動しています。

コンペAインタビュー

文化庁の新進芸術家海外研修制度を受けている本作品。1928年のアムステルダムオリンピックにオランダ人体操選手として出場し、金メダルを獲得したユダヤ人女性エルカ・デ・レヴィーにスポットを当て、孫娘の語りを通して人生を振り返ります。

チームメンバーには5人のユダヤ人がいたが、エルカを除いた4人は第二次世界大戦中にナチスの迫害により殺されてしまう。オリンピックと戦争を生き抜いた女性の人生を過去と未来を行き来しながら描いています。

現在と未来を行き来する演出には、現代における「生きづらさ」についての考えが込められていると話しました。保守的な家庭環境で生まれ育ち、女性としての「生きづらさ」を感じていた佐藤監督は、それが個人的な歴史と繋がって起きているものだと考え、生きづらさの理由を模索したくて作品を制作していると語ります。

作品製作については、エルカ選手の親族の方を探すことに苦労したと話します。エルカ選手の情報はウィキペディアに存在していたものの、限られており、ユダヤ人独特の苗字をタウンページで探して片っ端から電話をかけることを3ヶ月間行ったそうです。

「お孫さんが生きているうちに絶対に撮りたかった。出来ないという気持ちはあまり考えていなくて、実際にお会いして情熱を伝えれば、話が通じるだろうと思っていました」と作品に注いだ熱意を打ち明けてくれました。

佐藤未来監督から広島国際映画祭にメッセージ 「自分のこれからに活かせるような他の監督との出会いに感謝したいと思いました。広島で映画祭を開催する意義も凄く感じていて、昨日は『愛と死の記録』を鑑賞して食らってしまった。これからも是非続けてほしいです」

 

コンペAインタビュー

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