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2023/11/24

国際短編映画コンペティションB 監督たちが語る「映画のきっかけ」

11月24日(金)16:35から、NTTクレドホール第1会場で、国際短編映画コンペティションBの3作品の上映と、監督のトークショーが行われました。

国際短編映画コンペティションB

上映されたのは、韓国のナム・ドヒョン監督の『フィッシャーボーイ』、中国のシャイオ・ジン監督の『馬の墓場』、成瀬都香監督の『ラ・マヒ』の3作品です。上映の後に、中国放送アナウンサーの田村友里さんの司会で、監督のトークセッションがありました。

国際短編映画コンペティションB

『フィッシャーボーイ』ナム・ドヒョン監督 留守番の少年が母の言いつけで水を探しに行きますが、少年が何かに出会うたびに、手に入れた水がだんだん減ってしまい、とうとうなくなる…という物語です。 ナム監督は、飲料水を店で購入することが多かったそうで、あの重たい2Lのペットボトルを子どもが運んだら何が起こるだろうと考えたことが映画製作のきっかけだと明かしました。この作品では子どもの気持ちや生命力をどう表現するかに力を注いだそうです。 今後については「60歳を過ぎた自分の父を見ていて、その世代のおじさんを描いてみたいと感じました。嫌なところ多いが、哀れみも呼びそうだし」と、次回作のアイディアを語っていました。

国際短編映画コンペティションB

『ラ・マヒ』成瀬都香監督 無難に生きることを自分に強いてきた主人公が、小学校の同級生だった女子プロレスのスターに再会。それをきっかけに自らもその世界に飛び込み、そこで自分らしさを見つけてゆくという物語です。 成瀬監督は、自分でもアマチュアとしてプロレスをしているそうで、タイトルは「ラ・マヒストラル」というプロレスの技から取ったことや、どうしてもプロレスの世界を描きたくて文化庁の「若手映画作家育成プロジェクト」に応募したというエピソードを披露しました。 そして、目指したのは「見た人の心が軽くなって、明日は頑張ろうという気持ちになれる作品」であり、次回作以降もこうした作品を目指したいと、決意を語ってきました。

国際短編映画コンペティションB

なお、『馬の墓場』のシャイオ・ジン監督は、長編作品を制作中のため欠席で、代わりに本人からのメッセージが紹介されました。 厳冬期のモンゴルの草原を舞台に、父の不在の中で妊娠中の母と幼い娘の体験を描いた『馬の墓場』について、「典型的なモンゴル映画では狩りをする男性を描きますが、私は残された女性たちの物語を描きたかった。大学では、極限の天候や子どもや動物を登場させるのは避けるように教わったが、私はどれも守らず、落とし穴にはまったようです。これからも世界の家族の物語を描いて行きたい」と思いを託しました。

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