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11月22日(金)19:30から、NTTクレドホール第一会場で『君がいる、いた、そんな時。』のトークショーが行われました。
上映前のトークショーでは、迫田公介監督、女優の小島藤子さん、聞き手でフリーパーソナリティーのおだしずえさんが登壇しました。
本作は「広島国際映画祭2019」で初めて関係者以外の人に見てもらうワールドプレミア上映で、迫田監督と小島さんは「緊張しています」と話し、ネタバレに気を付けながらのトークショーとなりました。
オール広島・呉ロケで、小学校の“校内放送”がカギとなります。フィリピンと日本人のハーフの男の子・キシモト、みんなに馬鹿にされながらも校内放送に燃える男の子・カヤマ、そして図書館の司書のショウコの三人が、不器用なりにそれぞれの傷と向き合っていく、ヒューマンドラマです。
迫田監督がこの映画を作ろうと思ったきっかけは「(自身が)通っていた小学校の放送室が特殊な形で、そこが面白そうだと思った」ことからで、地元・呉での思い出から企画が立ち上がりました。
制作アプローチも注目する点の一つです。
「ある脚本の中の出来事・本編にはないショウコの過去については、小島さんに決めてもらった」という迫田監督。小島さんからの回答が、迫田監督の想像を超える面白さだったことから、全部採用したそうです。
衝撃の過去を抱えた司書・ショウコ役を演じた小島さんは「私とは全然違う環境にいる方で、経験したことないことばかり。自分の想像だけで演じるのは難しかった」と語りました。
また、今作にはトークショーの聞き手である おださんも出演。“役を演じる前に自身の役のプロフィールを考える”という課題を出され、苦労したことを明かしました。
また、トラブルにより小島さんの追加撮影をした際、当時の芝居でもOKだったが、「時間が経ってから違うんじゃないかと思い始めた。あることが起きて、あることになるまで時間があった。でも撮影のときは、バーッと撮ってしまうので」と迫田監督。
いざ追加撮影をすると、小島さんのお芝居も変わっていたんだそう。迫田監督が「芝居変えた?」と聞くと「変えた!」という小島さん。
「そのシーンがあってよかったですか?」という質問に、「うまい具合にはまったなら、よかった」という小島さん。迫田監督も「感動的だった」と答えました。
そして今作は、昨年の広島の豪雨災害により撮影時期をずらして完成させたという背景もあります。
迫田監督は、無事に撮れることになった時、子供のエキストラの保護者の方に「災害で自粛で、どこにも行けなくなった時、エキストラで撮影に参加できてよかった」と声をかけられたのだそう。
「そのために撮ったわけではないが、そのように運んだことがすごく感動的で、ちゃんと丁寧に撮ってよかった」と振り返りました。
最後に、カヤマ役の坂本いろはさんをはじめ、末武太さん、山本正大さん、渡邊海瑠さん、吉元宏介さん、下村拓巳さん、アイリン・サノさん、山本偉地位さん、そして、音楽を担当したウサギバニーボーイさんとkneeeeeeさんの名前が呼ばれ、ステージにキャストが大集合。
残念ながら、主役の一人であるキシモト役のマサマヨール忠さんは来られなかったため、坂本さんがマサマヨールさんからのメッセージを代読。迫田監督は、撮影を通して感じられた子供たちの成長に「面白い」と感じ、見ている人に、作品の中で子供たちの成長を感じてもらえたなら「成功」だと語りました。