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11月23日(金)13:00から、横川シネマでラチェザール・アヴラモフ監督、広島県出身の杉野希妃さん主演の『ユキとの写真』が上映されました。 本作品は、ブルガリアと日本の合作映画で、本上映がジャパンプレミア、日本初の公開となります。
杉野さんが演じるのは、夫の故郷であるブルガリアで不妊治療を受ける日本人女性。夫婦に降りかかったある悲しい事件をきっかけに、彼らの世界は大きく変わってしまいます。
上映後にはトークショーが催され、杉野さんがゲスト登壇。 ブルガリアでの撮影時のエピソードなどを披露されました。
この作品は、今から3年前の2016年秋に撮影開始したとのこと。この日、観客席で作品を鑑賞した杉野さんは「スクリーンの鑑賞は初めてで新鮮な気持ちで見ました」とコメント。
撮影はブルガリアで行われました。知識はほとんどない状態でブルガリアを訪れたという杉野さん。ジプシーがいるということも今回初めて知ったとのこと。
作品中ではブルガリアの美しい自然が映し出されますが、こちらは首都ソフィアから車で2~3時間ほど移動した郊外の風景なんだそうです。「ソフィアも都会ではありますが、かつての社会主義の雰囲気がまだ色濃く残されていました。作品中のセリフだけでなく撮影中の会話でも、この陰のある雰囲気があるなあという気がしました」と感想を語りました。
「役作りもそうですが、最初の台本では日本人から見るととても違和感がある内容が多々あり、話し合いながら日本人としての意見を取り入れてもらうこともありました」と杉野さん。 少年を弔うための祈りのシーンは、杉野さんのアイデアで仏教的なモチーフに変えてもらったとのこと。ブルガリア人から見た日本、やや過剰なオリエンタリズムを感じたときには、議論を重ねて今のバージョンが出来上がったのだそうです。
杉野さんにより、本作品の共演者についても紹介がありました。
ユキの夫、ゲオルグ役のルーシェン・ヴィディンリエフさんはブルガリアでは人気のシンガーソングライターとして活躍されていたとのこと。大人気のポップスターでしたが、ニューヨーク留学を経て、現在は俳優として活躍されているそうです。
元ボクサーの少年の父役のセラフィム・トドロフさんは、実際にボクシングで世界選手権で金メダルを獲った有名な選手でもありました。
また、鋭い観察眼を持つ刑事を演じたのは、第91回アカデミー賞では作品賞など三部門を受賞した『グリーン・ブック』でバンドメンバーのオレグ役を演じたディミテル・D・マリノフ。見覚えがあると感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「こういった多彩な俳優陣と共演することができて光栄でした」と撮影当時を振り返りました。
最後に「平日の昼間というなかなか難しい時間帯にもかかわらず、足を運んでくださりありがとうございます。ふるさとで自分の出演した作品を上映することができてとても嬉しい。劇場公開されるかどうかはまだわかりませんが、もし公開された際には広島で上映したい。機会がありましたらぜひ応援をお願いします」と会場のお客さんに杉野さんからメッセージが送られました。
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