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2017/11/26

破天荒な画家の生き様に迫った『RUNNER』

11月26日(日)10:00から、横川シネマで『RUNNER 絵を描かないと死んでしまう人』が上映されました。瀬戸内海・因島出身の規格外の画家、瀬島匠さんの生き様を、監督の前田哲さんが1年かけて撮影した人間ドキュメントです。

前田哲監督は『ドルフィンブルー フジもういちど宙へ』、『ブタがいた教室』などの作品で知られています。瀬島匠さんは芸術学校の教師として生徒を指導しながら、30年にわたって「RUNNER」というタイトルの絵を描き続けています。映画『RUNNER』では瀬島さんの作品制作の過程と、「画家30年目の作品」に込められた地元因島の家族との複雑な物語が明かされます。

上映後は、前田監督と瀬島さんを呼んでトークショーが行われました。まずは前田監督が作品に対する思いを述べ、作品を作ろうと思った原動力を「窮屈な社会の中で縮こまる芸大生に、瀬島さんの姿から“枠からはみ出る元気”を与えたかった」と語りました。作品の中では前田監督と瀬島さんの距離の近さを感じる掛け合いが見られることも魅力。インタビュアー木村成代さんが「撮影されている瀬島さんが、撮られているという感じがしないくらい自然だった」と言うと、前田監督は「自然と、誰にでも対等に接することができる人物」と瀬島さんを絶賛。二人の信頼関係がわかるトークが展開されました。

観客から作品の制作期間について質問された瀬島さんは、「作品にもよるが、期間よりも絵の具の乾き具合を考えて制作している。大事なのはタイミングだ」と絵に対するこだわりを答えました。
呉から来場した、美術館巡りが趣味の女性は「完成作品からは分からない、制作過程の瀬島さんの考えを知ることができた」と言い、新たな美術館の楽しみ方を発見できた様子でした。東区の女性は「短い時間で瀬島さんのことを色々と知ることができた」と話していました。瀬島さんの魅力を前田監督が最大限に引き出した『RUNNER』が、二人のファンをたくさん増やしていることでしょう。

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