広島国際映画祭 HIROSHIMA INTERNATIONAL FILM FESTIVAL

  1. ホーム >
  2. ニュース >
  3. 『一陽来復 Life Goes On』上映とユン・ミア監督のトークショー

News
ニュース

2017/11/26

『一陽来復 Life Goes On』上映とユン・ミア監督のトークショー

11月26日(日)10:00からNTTクレドホール第二会場で、ユン・ミア監督の『一陽来復Life Goes On』が上映されました。
日本中に衝撃が走った2011年3月11日東日本大震災。あの日から6年、未曾有の被害に襲われた岩手・宮城・福島の被災地3県を舞台に、一歩ずつ前進する人々を追ったドキュメンタリー作品です。
上映後、案内役のフリーパーソナリティー玉田陽子さんに紹介された監督は温かい拍手で迎えられました。ユン監督がプロデューサーとして製作した『サンマとカタール女川つながる人々』で、描ききれなかった部分がたくさんあったため、もっと取材し続けたいという想いに、復興庁からの支援も重なり、本作が初監督作品となったというエピソードがありました。
タイトルの「一陽来復」は「一つの太陽はまた来る。悪いことが続いたあと、ようやく物事が良い方向に向かう」という言葉の意味から、復興の願いが込められて付けられています。
昨年の7月から今年の春にかけて行った取材については、カメラアングルを考えず、被災者の方と向き合おうと自らがカメラを持って100人に話を聞いたという裏側を聞くことができました。撮影が負担にならないように話したがらないことや嫌なことは聞かず、取材した方々が作品を見て辛い思いをすることがないように、泣かせたり盛り上げたりする場面を作らなかったという細やかな配慮も伺えました。
「被災者の心の中に残っている『今』は、カメラマン目線で切り取られ、6年の歳月を経て、取り戻した日常の美しさや、辛いことを乗り越えた人々の優しさや強さとなって表れている」と、涙ながらに語られた監督の想いに観客も目頭が熱くなりました。
本作品を通して、私たちは、決して忘れてはいけないあの日について考えたのではないのでしょうか。

« »