News
ニュース
11月26日(日)15:00からNTTクレドホール第1会場で、阪本順治監督でオダギリジョー主演の『エルネスト』が上映されました。
日系二世フレディ前村ウルタードと革命家エルネスト・ラファエル・ゲバラの生き様を描いた作品で、日本とキューバ48年ぶりの合作です。発表に3年半、キューバでのロケは9ヶ月要したと言い、日本人スタッフは5人も病院送りになったほどの過酷な現場だったようです。キューバは社会主義国で、日本との違いが多いことから撮影が不安だった阪本監督。主演のオダギリジョーさんへのオファーは、あらすじを渡して「今すぐ返事をちょうだい」と話して承諾された。オダギリさんは「監督がとんでもなく困難な映画を撮ろうとしていることがわかったので興味を持った。厳しい場所に身を置かないと甘えてしまうが、監督の現場はとても厳しく監督の映画に出演すると初心に戻れるような気がする」と評しました。オダギリさんのスペイン語は現地の方が聞いても自然なようで方言も話されていたようです!
トークショーでは、聞き手のキムラミチタさんからお互いどのように思っているのかを尋ねられ、阪本監督は「ナイーブで流されない人。譲れるものと譲れないものがはっきりしている人。それがフレディと重なってキャスティングした」と言い、オダギリさんは「一言で言うなら、一番映画に真面目で誠実な監督。映画を中心に生きてる方」と言葉を丁寧に選びながら話してくれました。続いて「改めて本作はどんな映画だと思うか」との問いに、昔の時代の他国の歴史を描くわけだから、決して間違えられないという思いがあったとし「フレディの家族も知らない、学生時代の彼を描いた映画」と阪本監督。「特にお気に入りのシーンを教えて」という観客には、「一番は映画最後のストップモーション。影で見えづらいようだけど、台本にないショットで色んなものが感じられるシーン」。一方「村人が皆集まり、ろうそくを持って祈りを捧げるシーンに一番感動した」と語るオダギリさんは、「キューバの人たちの気持ちが共感できて、アメリカに対する怒りや自分たちに対する不満みたいなものに感極まりました」とも付け加えました。
ほかにも、オダギリさんのキューバ滞在中の話や、阪本監督の思う芸術とは何かのお話がテンポ良く展開され、最後は時間を惜しみながらのトーク終了となりました。