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11月26日(日)16:30からNTTクレドホール第二会場でコテ・クール短編特集『住民総会』、『ユーグ』、『物語を求めて』、『思い出の風景画』の4作品が上映されました。
上映後、最後の作品の余韻が残るなか始まったトークショーには、短編映画祭Côté court(コテ・クール)の設立者であるジャッキー・エヴラールさんと『ユーグ』の監督で『思い出の風景画』のキャストでもあるパスカル・セルボ監督が出演してくださいました。司会は広島国際映画祭国際プログラム担当の槻舘南菜子です。トークショーはエヴラールさんが4
作品それぞれの監督についてのお話のあと、セルボ監督への今回上映した映画に関する質問となりました。
監督についてのお話は、セルボ監督が俳優として多くの作品に出演していることから『思い出の風景画』のローラン・アジャール監督のお話が主となりました。セルボ監督はアジャール監督の演技の指示について「あまり言葉では説明しません。ダンサーへの振り付けのように動きについて指示します」と言います。
『ユーグ』についての質問では、セルボ監督は俳優でもあることから、エヴラールさんは『ユーグ』の主人公を俳優としての職を続けるか悩む男にしたアイデアの出所が気になったようでした。セルボ監督はこのことについて聞かれると「主人公を俳優にしたかったのではなく、裸の人間を映画のなかで描きたかったのです。これはドイツで裸の人間に遭遇した友人の実話を聞いて、そのときの心境や身体、裸であることの恥じらいと裸でいることの問題を考えました」との返答。不安を思わせるバーレスクを描きたく、悩む男と裸の人間をだすことで重々しい部分とコメディーの部分が共にある映画にしたと言います。また、エヴラールさんは『ユーグ』を観客に結末が開かれた映画だと感じたようです。セルボ監督は「結末だけでなく映画全体を開くようにし、観客の見方によって物語を作れるようにしています。これは、まだ映画監督としての自分の考えに責任を持つ自信がないためです。」とのお話でした。
今回のトークショーではパスカル・セルボさんの俳優としての面と映画監督としての面を垣間見ることができました。
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