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11月25日(土)NTTクレドホール第一会場で、国際短編映画コンペティションBが開催され、その後各作品監督によるトークショーが行われました。
スミエ・ガルシア監督『どこかで聞いた物語』、ファン・シェン・ミン監督『行き詰まって』、ギョーム・ブラック監督『ハンネと革命記念日』の3作品が上映されました。
作品上映後はインタビュー形式で3人の監督によるトークショーが行われました。
スミエ・ガルシア監督は作品のテーマについて、「日本からメキシコに渡った大叔父さんの記録を残したかった。復興と記憶が残るプロセスをテーマに描いた」と答えました。メキシコの食べ物と原爆の映像を交互に映す演出の意図を尋ねられ、「叔父がメキシコに来た時の話をする時はいつも食べ物の話から始まる。戦時中に食糧難に苦しんだ経験が強く残っているのだろう。叔父の記憶を表現したかった」と、本作品のテーマにもなっている”記憶”を強調して、叔父の体験を引き継いでいこうとする監督の思いが感じられました。
『行き詰まって』のファン・シェン・ミン監督は作品の制作に至った経緯を、「デザイン学校の卒業時に作品を作ることになり、何を描くか考えた時に、亡くなった中学時代の恩師のことを思い出し作品を作った」と説明しました。
登場人物の先生と生徒は2人ともある不安を抱えている設定だが、人物像の設定はどのように作ったかという問いには「中学時代の実話を基にした。中学時代に自分を励ましてくれた先生が、大学2年の時に亡くなった。お世話になった先生との思い出を残すために作品を作った」と、かつての恩師への思いを交えながら話しました。
ギョーム・ブラック監督は作品の題材について、「パリの国立演劇学校からの依頼を受け制作した。3週間をかけて、俳優を目指す若者たちとワークショップ形式で作り上げた作品の一つと制作のきっかけを語りました。
地方のワイン産地などを舞台としたこれまでの作品と異なり、今回はパリをロケ地とし、さらに学生寮が舞台となっていることから、どのようなチャレンジがあったかと尋ねられた監督は「これまでパリで作品を撮ろうと思ったことはなかったが、私の中で大学都市は非常に身近な存在でありながら、触れたことのない未知の存在でもあった。大学寮は留学生など多様な人々が暮らし、パリの中にあってパリではないような不思議な感覚があった」と監督にとって新たな挑戦だったことが伺えました。