広島国際映画祭 HIROSHIMA INTERNATIONAL FILM FESTIVAL

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2017/11/25

国際短編映画コンペティションA堂々開催!

11月25日(月) 13:00からNTTクレドホール第一会場で、『国際短編映画コンペティションA』が開催されました。ノミネート作品はマルタ・マテウス監督の『棘と荒野』、ラウラ・フェレス監督の『相続権』、近浦啓監督の『SIGNATURE』。上映後は、東京国立近代美術館フィルムセンター岡田秀則氏が聞き手役でトークショーが行われました。

『棘と荒野』は、監督の子どもの頃の記憶と伝説、人々から見聞きした情報をもとにした作品で、地域性豊かな映画に仕上げたとマルタ監督。撮影は監督の育ったポルトガルの町で行われました。作品は、その町に住む人たちへ捧げたものでもあるそうです。トークショーでは「映画の画面作りにどのようなポリシーや演出方法を考えたのか」と尋ねられ、「撮影監督と話をしながら何度も現場に足を運び、基本はカメラを固定して撮影した。カメラを動かさなくてもそのカット自ら語るものがあるから、それを大事にした」とマルタ監督。

『相続権』は、ラウラ監督の父親を主人公にした作品。父親の生きてきた証を形に残したいという監督の思いが発端となり、スペインバルセロナの下町で撮影が行われました。スペイン危機を生き抜いた世代の人々へ捧げた作品でもあるそうです。監督の代理で来場されたエニス・ピケ撮影監督のトークショーでは「フィクションとノンフィクションの間を行き来する映画に感じたが、どのように撮影したか」と尋ねられ、撮影前にノンフィクションにしようとラウラ監督ときっちり決めていたと前置きして「どうしてフィクションと思えるショットがあるかというと、ショートフィルムという短い時間の中で、色んな過去を押し込まなきゃいけなかったから」。「撮影で意識したことは」の問いには、「あくまで主人公はラウラの父だからカメラに存在感が出ないようにした。カメラはオブザーバーで、ただ眺めているもの」と語るピケ撮影監督からは、強い思いも感じることができました。

『SIGNATURE』は、長編映画制作に向けて近浦監督と主演のリュー・エイライが、お互いを知ろうとコラボして作った短編映画作品。脚本は2週間で書き上げたそうです。あこがれの広島国際映画祭で自分の作品が上映できたことに感激もされていました。トークショーでは「渋谷の街のショットが印象的だが撮影は難しかったか」と尋ねられ、テーマとしてショットを含めたカメラの動かし方と渋谷の街をどうやって撮るか綿密に考えたと前置きして「オープニングで登場する署名を集める女性がどう主人公に出会うか考えた結果、画面比率を4:3にした。女性が早く画角に入りインパクトが強くなる演出が欲しかった」と近浦監督。16:9の比率では女性が画角に入るタイミングが早くなってしまうそうで、監督の強いこだわりがうかがえました。渋谷の街の撮影は全部ゲリラで行なったという監督の思い切りの良さも感じることができました。

コンペティションの結果は、Bの部も合わせた6作品の中から「ヒロシマ・グランプリ」、「審査委員特別賞」、「観客賞」が決定します。乞うご期待!

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