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11月24日(金)20:30から横川シネマで『鳥の歌』が上映されました。
3人の賢者が様々な土地を巡りながらイエス・キリストの誕生を祝いに行く聖書の中の物語で『ルイ14世の死』が、カンヌ国際映画祭で特別招待作品として上映されたアルベルト・セラ監督の最新作です。上映後は筒井武文監督を聞き手に、アルベルト・セラ監督のトークショーが行われました。
筒井監督が「シンプルな物語ですが、この世界に入っていくのは少し難しく感じました。どこからこの映画を発想したのでしょうか」と聞くと、アルベルト・セラ監督は「この話は聖書に描かれた3人の賢者の話です。そこに自分のアイデアなどを盛り込もうと思いました。映画はシンプルですが、計算されて作られていて、前作や次回作と比較して観てもらうとさらに面白さが感じられると思います」と話されました。
映画の描写について筒井監督が聞くと「3人の賢者は砂漠の中で方向を見失い孤独になっていきます。このシーンは、俳優にあえて指示を出しませんでした。俳優は監督が指示してくれないので迷ってしまいます。物語のキャラクターも神に示してもらえず砂漠で迷っていきます。俳優とのコミュニケーションをとらないことが作品に良い影響を与えてくれることがあります」とセラ監督が撮影法について明かし、「この映画のいいところを見つけるのはなかなか難しいかもしれませんが、この作品が素晴らしい思われるのはとてもアーティスティックだからです」と監督は話されました。
最後に男性の観客が「監督が生活感なしで描いた理由を教えてください」と質問すると、「あるシーンで、ただの黒い石をとても美しいと感じるシーンがある。日常を描いてしまうと、このただの黒い石が美しく感じることができなくってしまうから、日常を描くことをしたくなかった」と答えられ、トークショーが終わりました。