広島国際映画祭 HIROSHIMA INTERNATIONAL FILM FESTIVAL

  1. ホーム >
  2. ニュース >
  3. 愛すべきひねくれ者!? 『ヴィレッジ』の行実プロデューサーの話に沸く会場!

News
ニュース

2023/11/24

愛すべきひねくれ者!? 『ヴィレッジ』の行実プロデューサーの話に沸く会場!

11月23日(木)15時30分からNTTクレドホール第二会場で、行実 良プロデューサーのティーチインが行われました。

行実良プロデューサーティーチイン

数々の社会派映画を生み出してきた映画会社「スターサンズ」所属の行実氏は、この度、広島国際映画祭でも上映された横浜流星さん主演の映画『ヴィレッジ』のプロデューサー。 ファシリテーターのキムラミチタ氏との絶妙な掛け合いで、アットホームな雰囲気の中、プロデューサーとしての仕事や映画作りについてお話いただきました。

行実プロデューサーは、もともと他社に所属していましたが、スターサンズ創設者である河村光庸氏に認められ、3年前に入社。昨年、急逝した河村氏のことを面白おかしく話されていましたが、そこには師匠である河村氏への敬意と愛情が感じられました。

河村氏から長い間、入社を口説かれていたという行実プロデューサー。安定した企業からの転職に迷いがあったそうですが、この道を選んだのはスターサンズの映画を見に行った時に、エンドロールに流れるクレジットを見ながら、早く転職を決めていれば、この映画のクレジットに自分の名前が出ていただろうと後悔したからだそう。安定を望むより、自分が求められている場所で働くことを選び、多くの作品を世の中に送り出してこられました。

行実良プロデューサーティーチイン

そんな華々しいキャリアを持たれているにも関わらず、演出家で俳優の松尾スズキ氏に「行実さんって、ケッて感じで世の中見てるよね」と、ひねくれ者の雰囲気を指摘されたそう。「小さい頃も大人になっても叱られることも多かったけれど、叱られるというのは、気にしてもらえているということだし、叱ってもらえるなら、それでもいいじゃないか!という開き直りが、ひねくれ者の根本にあるのだろうか…?」と自己分析されていましたが、この「ひねくれ者」という言葉は、ファシリテーターのキムラ氏との掛け合いでも、参加者による質疑応答でもホットなワードになっており、終始笑いが溢れるティーチインとなりました。

もちろん真面目なプロデューサーとしての一面も見せていただけました。映画製作の現場は、最高のレベルに完成させて世の中に披露できる日まで、血肉を削りながら白鳥のように水面下で足をバタバタさせているのだとか。『ヴィレッジ』の製作現場では、主演の横浜流星さんの表情がストーリーの段階に応じて変わり、藤井監督の要望にフルスイングで返す、ある種のストイックな戦いであったと賞賛されていました。

行実良プロデューサーティーチイン

同じスターサンズの作品、障がい者施設での殺人事件を基に描かれた『月』についても触れられました。この映画は相当な覚悟をもって作られており、良し悪しという感想ではなく、観る人が自分の中に問いかけをせざるを得なくなるような力を持った作品に石井監督が仕上げているそうです。こちらは11月25日(土)に本映画祭でも上映予定です。

今後の行実プロデューサーの目標は、「映画とは何か」を突き詰めていくことだそう。 「映画館で上映するものが映画なのか、オンデマンドで視聴できるのも映画なのか。 今、映画形態が変化していることを楽しみながら、どんな媒体でも楽しめる映画を作りたい。映画とは何かという、答えを見つけたいです」。そんな風に話す行実プロデューサーは、自らをひねくれ者と称しながらも、やはり愛すべき映画人なのだと感じるひと時でした。

行実良プロデューサーティーチイン

« »