広島国際映画祭 HIROSHIMA INTERNATIONAL FILM FESTIVAL

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2020/11/21

コロナ禍に思い重ねる~「おかあさんの被爆ピアノ」トークショー

11月21日(土)11:30から『おかあさんの被爆ピアノ』上映に続き、五藤利弘監督と作品のモデルになったピアノ調律師 矢川光則さんによるトークショーが行われました。聞き手はフリーアナウンサーの玉田陽子さん。はじめに矢川さんが「五藤監督と2人で10年間温めてきた作品」と紹介。五藤監督は「たくさんの人が応援してくださったお陰で完成した」と感謝を述べると、会場内は大きな拍手に包まれました。

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 この作品は五藤監督がドキュメンタリー番組の制作で矢川さんに出会い、被爆ピアノの存在を映画にして見てもらいたいと考えたことから始まりました。以来広島に通いつめ、時には矢川さんの活動に同行しながら構想を固めました。矢川さんが管理・保有する被爆ピアノは現在6台で、映画には3台が使われています。音色は吹き替えなしで「そのままの音を心に留め続けてほしい」と五藤監督は願います。矢川さんは「映画のエピソードはほぼ実話。(矢川さんを演じる)佐野史郎さんの撮影には全て立ち合い広島弁を指導した」と話しました。

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今新型コロナウィルスに感染した人が差別される風潮があるのを被爆2世への差別と重ねて「コロナで同じことを繰り返している」と、五藤監督は危惧します。広島市中区から来た女性(20)は、「当たり前と感じていた日常がそうではない、諸行無常だと感じました。私は福祉施設でボランティアをしていて、差別についても考えさせられています。いじめも含め全てが戦争といえるのかもしれません」と熱く語ってくれました。

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映画公開後は「コンサートに来てほしい」と矢川さんに依頼が相次いでいます。「来年は忙しくなりそうです」と嬉しそうに話す矢川さんは、映画をきっかけに多くの人に被爆ピアノの音色を届けたいと意気込んでいます。

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