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HIFF2020二日目の11月22日(日)、NTTクレドホール第1会場でリティ・パン監督作品『照射 [原題: Irradiated]』が上映されました。上映後は、映画に出演したアーティスト美音異星人さんのパフォーマンスに続きBIONさんも登壇。カンボジアからはリモート登壇でリティ・パン監督が加わりトークショーがスタートしました。司会進行は広島フィルム・コミッションの西崎智子さんです。
広島で刺激を受けたものは何かという質問にリティ・パン監督は、「原爆=犯罪を知った衝撃。証言を聞いて、被爆者の苦しみが長く続く事に大きな衝撃を受けた」と答えました。多くの出会い、原爆、核兵器との戦い、被爆での記憶と体験との戦いなど話題は多岐に渡りました。監督の撮影に同行した西崎さんからは、リティ・パン監督の独特な撮影のやり方に驚きの連続だったというエピソードを披露しました。
映画の中で結婚写真が使われた田中祐子(さちこ)さんからは「何故、写真が使われているのか」という質問があり、監督から「思い出(歴史)は人の壊せないもの、痕跡として原爆で壊れていった中で残ったもの」と説明されました。本作が2020ベルリン国際映画祭最優秀ドキュメンタリー賞を受賞した事を紹介すると、会場からは大きな拍手が沸きました。
リティ・パン監督は映画祭に招かれたことと広島での出会いに感謝を述べ、「皆様に希望を持ってもらいたい。また広島に行きたい」と締めくくりました。来広の際には広島名産のカキを食べたいというリティ・パン監督に、西崎さんが「食べましょう!」と返事をした途端中継が終わったので、会場からは笑いと拍手が起こりました。映画の題材は重いのですが、トークショーは未来に向けて明るい希望を感じさせ終了しました。