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11月23日(月)11時からNTTクレドホール第1会場で、J・R・ヘッフェルフィンガー監督作品『8:15』が上映されました。上映後は原作者で製作も手掛けた美甘章子さん、出演者の田中壮太郎さん、ニューヨークからのリモート登壇でヘッフェルフィンガー監督が加わりトークショーがスタートしました。聞き手は県立広島大学の矢澤利弘教授、通訳は安田女子大学の北原アンドレア准教授とジョン・マクリーン准教授です。
映画は広島市出身の被爆2世・美甘章子さんが父・進示さんの体験を描いた『8時15分 ヒロシマで生きぬいて許す心』が原作となっています。映画化はヘッフェルフィンガー監督から原作のプロモーション映像を作らないかと誘われたのがきっかけで、「監督が必要なシーンを厳選して素晴らしい映画に仕上った」と美甘さん。臨床心理医の美甘さんが映画製作に携わった苦労や、ヘッフェルフィンガー監督との奇跡的な出会いを振り返りました。原作は進示さんの希望により英語で書かれましたが「英語で書いたらお父さんが読めんよ」と言うと「自分のことが書いてあるんじゃけえ分かる」と言われたと広島弁で語り、会場は笑いに包まれました。主演の田中さんは留学経験があり、撮影には問題はなかったがモノローグの量が多く覚えるのが大変だったと明かしました。
『8:15』は第51回ナッシュビル映画祭で観客審査員賞を受賞(2020)。美甘さんは「今年はコロナ禍でオンライン開催となったため、アメリカの限られた地域だけではなく、より多くの人に鑑賞してもらうことができた。原爆が投下された時、そこにいた人々は一瞬にして消え去ったと思われていて、その後どうなったか知らない人もアメリカには多い。たくさんの人に広島で何が起きたか知ってほしい」と訴えました。『8:15』は現在、世界各地の映画祭に出品され、来年は日本での公開が予定されています。
※『8時15分 ヒロシマで生きぬいて許す心』は現在6カ国語に翻訳されています。