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11月26日(日)14:30から広島市映像文化ライブラリーで『太平洋の防波堤』(2008)が上映されました。
本作は、1930年代、インドシナのタイランド湾に移住したフランス人家族の物語です。原作は小説家や脚本家、映画監督として活躍したマルグリット・デュラスさん。メガホンをとったのは『消えた画 クメール・ルージュの真実』(2013)でカンヌ映画祭「ある視点」部門最優秀作品賞を獲得し、アカデミー賞海外映画賞にもノミネートされたリティ・パン監督です。
上映後は、リティ・パン監督をステージに迎えてトークショーが行われました。
広島を訪れた感想として「複雑な歴史をもつ都市であり、一言では言い切れませんが強いメッセージを感じます、広島に対して思い入れが強いために、単なる観光客として安易に訪れることが出来ず今まで来ることが出来ませんでした」と話しました。
本作は小説が原作ですが、映画化しようと思った動機については「見事な小説を映画化することは難しいですが、ドキュメンタリー映画ばかりではなく他のことにも挑戦しなければならないと思ったからです」と話しました。「年齢を考えると、コメディーやミュージカルなどのジャンルや、今とは違う新しい方法で映画を作ることに興味があります」とも。
また、リティ・パン監督は映画製作の傍ら、カンボジアの文化・芸術省等と連携し2006年に設立した「ボファナ視聴覚リソースセンター」の代表を務めるほか、「カンボジア・フィルム・コミッション」を設立するなど、カンボジアの映像分野のけん引役として精力的に活動しています。
最後に、「映画で世界を変えることが出来るとは思いませんが、映画は人々の行動を誘発したり抑制したりする可能性が秘められていると思っています。そのため、人々に何かを与えることが出来るような意味のある映画をこれからも存在させ続けていきたい」とメッセージを残しました。
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