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11月11日(金)16時からNTTクレドホール第一会場で『リップ ヴァン ウィンクルの花嫁』が上映されました。
派遣教員のヒロイン(黒木華)が義母に浮気の濡れ衣を着せられ、家を追い出されながらも、なんでも屋の男(綾野剛)や不思議な住み込みメイド仲間(Cocco)と交流していく姿を描いた人間ドラマ。上映後、この作品を手がけた岩井俊二監督(『リリィ・シュシュのすべて』、『花とアリス』)が舞台に立ち、トークショーが行われました。聞き手はフリーライターの清水浩司さんです。
本日の朝、本作品にも出演された女優、りりィさんが亡くなりました。それに伴い、今回は追悼上映となりました。岩井監督は、作品の中でりりィさんが飲まれていた焼酎を持って登場。グラスを机に置き、お悔やみを述べられました。りりィさんに対する思いや、収録エピソードなどが語られ、会場に集まった全員がその死を哀悼しました。
『花とアリス』以降、12年ぶりの日本での製作となったこの映画。監督は東日本震災後、4年間の”地獄めぐり”と表現する試行錯誤を経て、本作品を作り上げました。911や原発など、社会問題を考えるキーワードにも触れながら本作品に込められた強い思いが語られました。彼の頭の中にはこの映画への道筋があり、その熱い思いが込められたトークショーは、非常に聞き応えのあるひとつの物語のようでもありました。「自分の変態ちっくな部分を掘り下げた作品が作れれば」。息を呑むようなトークショーは、最後に監督のおちゃめな一面を垣間見ることができたところで、和やかに終わりを迎えました。
岩井監督の作品は、さらに本日22時より『市川崑物語』、24時15分より『なぞの転校生』も上映されます。ファンに一言を求められた監督は、「『なぞの転校生』は、時間がない中模索して制作した作品。学園の中に核戦争のある異世界が混じる。作り終えた後、壮大なテーマを描いていた実感が湧いた。(先に上映された、バリー・フレシェット監督によるヒロシマを舞台にした映画)『灯籠流し』とも通じるものがある。この場所でこの作品が上映されることは、非常に意義がある。また、りりィさんも登場している。深夜で長時間ではあるが、是非足を運んでもらえれば」と語りました。
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