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11月24日(土)20:00から横川シネマで『ペーター・ネストラー特集』が上映。
作品は『時の擁護』、『良き隣人の変節』、『空洞人』の三作品になります。
上映開始前にペーター・ネストラー監督から「ここ広島で上映されることは私にとって特別に感じます。私は第二次世界大戦を経験した世代です。私が幼少期の頃に、家の前を死の行進で多くの人が歩いていました。私の親はそういった人たちを家にかくまっていました。戦時中の体験が私の映画に生かされています」と自分の体験と自分の映画について語りました。
上映終了後、ドイツ映画研究者の渋谷哲也さんが聞き手となり、トークショーが始まりました。
今回上映された三作品がどのような経緯で作られたかと尋ねると、「一作目の『時の擁護』は映画作家夫婦のジャン=マリー・ストローブとダニエル・ユイレのドキュメンタリー作品です。ある番組の前置きとなる作品として依頼があり作成しました。彼ら二人は私の友人なので依頼を受けた時はとても嬉しかったです」と答えました。
二作目の『良き隣人の変節』はソビブル収容所から生き延びた53人のうちの一人のドキュメンタリーです。 監督は「収容所や当時のことについて現代に伝えるべきと思い、私はハンドカメラを持ち、彼を訪ねました。この作品はほとんど上映されていません。ポーランドではホロコーストについてポーランドが加担したという表現をすることが禁止されています」と説明しました。
三作目の『空洞人』は「短編小説を映画化するプロジェクトを依頼され作った作品です。作風については絵を入れる手法は決まっていましたが、音楽が決まっていませんでした。ある時、ストックホルムでのアルバン・ベルクのコンサートを聴き感銘を受け、彼の曲を作品に使うことを決めました」と作品の背景についてネストラー監督が語りました。
『良き隣人の変節』について会場から「ランズマンのホロコーストの作品についてどう思いますか?」という質問には「彼の作品と私の作品は作る背景が異なり、私の場合はドイツ人が罪の責任を負う側として作品を作っています」と答え、トークショーは終了しました。