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11月25日(日)13:30から、広島市映像文化ライブラリーでザンジバル作品特集(6)『トゥワイス』が上映されました。上映後にはトークショーが催され、ジャッキー・レイナル監督とシネマテーク・フランセーズのサマンタ・ルロワさんがゲストとして登壇されました。司会は国立映画アーカイブの主任研究員・岡田秀則さん、通訳は福崎裕子さんと澁谷悠さんです。
わずかな差異を持ったシーンの反復など、他のザンジバル作品と比べて斬新な表現が特徴的です。上映前の挨拶でレイナル監督は、この映画をザンジバル作品に対する一つの反乱と称し、監督を務めるまでの経緯やレイナル監督の価値観に大きく影響を与えた両親のことも話されました。監督のパーソナルな部分を描いたもので、様々な批評があるがどう解釈し判断するかは個人の自由と話していました。
上演後は岡田さんを交えトークショーが行われました。岡田さんはこの作品について、「男女の親密な関係を読み取れてとても叙情的ですね」とコメントしていました。対話の中では従来のザンジバル作品と距離を取り新しいものを撮りたかったという決意や撮影のためスペインのバルセロナへ単身で渡ったことなど、作品に込められた多くのこだわりを知ることができました。一見すると関係のない映像が連続しているように見える不思議な作品ですが、実はパリにいる恋人から離れバルセロナの男性に会いに行くという隠されたコンセプトがあるそうです。この映画の一番の魅力は、画面の外で何が起きているのか鑑賞している人には全く分からず画面の中でも大きな動きが無い点であるとレイナル監督とルロワさんは語っています。
観客からは映画のデジタル化の危惧に対する意見が寄せられました。レイナル監督は映画フィルムをはさみや糊を使って編集していた時代の映像の生々しさが、デジタル化によって失われてしまったと感じており、現代社会の中で生きていると、やはりノスタルジーを感じてしまうそうです。
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