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11月23日(金)15:30から横川シネマで、マリー・ロジェ監督の「ルチャリブレの女王 カサンドロ」が上映されました。
アクロバット、ダンス、絵画などを経験した後、友人からもらった16ミリカメラで映画を撮り始めた監督の最新作は、派手できらびやかなルチャリブレ(プロレス)で異彩を放つエクソティコ(変わり者)カサンドロのドキュメンタリー。
上映後、東京芸大教授・筒井武文さんが聞き手でロジェ監督のトークショーが始まりました。通訳は、神埼裕子さんです。最初に、ドキュメンタリーにはテーマを決めて作るものと人物に惚れこんで作るものがあるが監督はどちらのタイプかという質問に、自分は被写体に興味を持てないと撮影しないと回答しました。
今作の始まりはLAで仕事した時、キャバレーでたまたま見たルチャリブレ。特にスター然としたカサンドロにすごく興味が湧き、その後何度か会ううちにドキュメンタリーを撮ろうと思ったそうです。撮影に際してあえて下調べはしなかったのは、先入観を入れたくなかったのがその理由。
撮影はエルパソのカサンドロの自宅からスタート。
素顔の彼を撮ろうと色々なシーンを撮影するものの、なかなか本性を見せず満足いくまでに6年の歳月がかかったとか。
6年も撮っていると、完成しないのではと不安にならなかったかという質問には、「撮った映像を編集していると必ず終わりのポイントが見えてくるのです。それはいつも同じみたいで、自分が撮った作品のほとんどはなぜか76分になる。」と会場を驚かせました。
最後に「もしかして映画監督という縛りに囚われたくないのでは?」とのお客様の質問に、「私は映画に憧れていたから監督になれたのはすごく嬉しい。でもほかに絵画でもダンスでも表現したいことがたくさんあるのです」と答えました。
次回作はミュージカルコメディーになる予定。
「やはり6年間、76分になりそう。」と笑わせました。
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