広島国際映画祭 HIROSHIMA INTERNATIONAL FILM FESTIVAL

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2018/11/25

原爆最後の生存者と映画監督を繋いだものとは?

11月24日(土)16:00から、横川シネマで『OBON』の上映とトークショーがありました。

この映画は、広島の原爆の最後の生存者の一人高蔵信子(タカクラアキコ)さんが原爆の恐怖と悪夢を語る中で父親とのめったにない親密な瞬間を描きました。

聞き手は広島フィルム・コミッションの西崎智子さんです。 西崎さんの紹介でアンナ・サモ監督が登壇すると、会場は拍手に包まれました。

初めに共同製作者で、脚本や構成を担当したアンドレ・ヘアマン監督から「この映画は製作に6年ほどかかりましたが、広島で上映できてとても嬉しいです。いつも私たちが思い描いている広島を受け入れてもらえたら光栄です」というメッセージが紹介されました。

アニメーションを担当したサモ監督からは、「今回初めて、日本人と一緒に映画を見ることができてとても光栄です」と挨拶がありました。アニメーションを描く時は、日本の伝統を描写するために詳細を調べ、それをフレームごとに心理的な感情を吹き込むことが難しかったと話しました。

詳細を知っていくうちに深く考えて辛くなり、何度も泣いてしまったこともあると打ち明けました。そんな時にどのように自分を奮い立たせたのかという質問に対して、話を聞いた原爆生存者のように、これを伝えるのは自分の使命なのだという強い気持ちを持ったと答え、声優を担当している高蔵さんの声にも励まされたと話しました。

今回の上映前にサモ監督は高蔵さんに初めて会い「声は何度も聴いて知っていたのですが、お会いしたのは初めてだったのでとても不思議な感じでした。高蔵さんが手を握って目を見て『Thank you』と言ってくれた時に何か通じるものがありました」と話し、「これからも原爆を通じて平和の大切さを伝えていきたいです」というメッセージで締めくくりました。会場は大きな拍手が沸き起こりトークショーは終了しました。

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