広島国際映画祭 HIROSHIMA INTERNATIONAL FILM FESTIVAL

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2018/11/25

新藤風監督と新藤次郎プロデューサーの父子対談

11月25日(日)10:00からNTTクレドホール第1会場で 『島々清しゃ(バリアフリー版)』の上映とトークショーが行われました。今回の上映は音声ガイドナレーションと日本語字幕が付いた完全バリアフリー版で、どなたでも楽しんでいただけるものです。

映画は沖縄の小さな島が舞台。耳が良すぎて変わり者扱いをされる小学生の女の子を伊藤蒼さん、東京から演奏会のためにやってきたバイオリニストを安藤サクラさんが演じています。物語は音楽を通して心を開いていく人々の様子を沖縄民謡を交えて描く感動作となっています。

上映後は新藤風監督とプロデューサーの新藤次郎氏を迎えてトークショーが行われました。聞き手は映画コメンテーターの鈴木由貴子さんです。

現在では、ドラマに映画に大活躍の安藤サクラさんですが、本作出演前には全てのオファーを断り、女優を辞めようとも考えていたと風監督が明かしました。実は監督自身も、祖父である新藤兼人監督が亡くなり、喪失感で人生をどう立て直そうかと考えていた時期だったと振り返りました。その時に、うみ役の伊藤蒼さんが作り手にいることで、ありのまま本質的に意見をいってくれる彼女の存在が2人の助けになったのではないかと次郎氏は語りました。

物語の中心となる子役の半分は東京など各地からオーディションで選ばれた子どもたちです。彼らは合宿のような形で沖縄に滞在し、撮影に挑んだそうです。撮影後は自分たちの洋服の洗濯、その後は宿題に取り組んでいたといいます。親元を離れ、宿で泣くことがあっても、現場では涙を見せない子どもたちの姿を見て、「私たち大人もけんかしている場合ではないし、ちゃんと作り上げないといけないと思いました」と風監督。

トークショーではその後、新藤兼人監督の話に移りました。最後の6年間を一緒に過ごしたという風監督は兼人監督について「生きるか死ぬかで常に現場に立っていました。生きるとはどういうことかを教えてくれました。祖父は絶対に超えられない壁だと思います」と兼人監督を懐かしみました。
今後について風監督は「自分もお客さんも楽しいと思えるような映画を作っていきたい」と意気込みを語りました。

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