広島国際映画祭 HIROSHIMA INTERNATIONAL FILM FESTIVAL

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2016/11/13

『罪と許しの時代』、『忘却と記憶についての短い物語』、『ノルウェイの森たち』、『ソウル・フィクション』のトークショー

2015年11月13日(日)。広島市内のNTTクレドホール第2会場で、ジュン・ヤン監督による映画『罪と許しの時代』、『忘却と記憶についての短い物語』、『ノルウェイの森たち』、『ソウル・フィクション』、そして監督によるトークショーが行われました。

さまざまな国で活躍しているジュン・ヤン監督は、その国での生活経験から自分なりのアイデンティティを確立しており、「世界人」としての雰囲気漂う監督でした。2011年に現代美術館のショーのために来広したことがきっかけとなり、広島が舞台の作品が誕生しました。今回の映画4作品はどれも30分未満の短編で、「罪」「歴史」「記憶」がキーワードになっていました。

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上映後、観客からの拍手に迎えられ、にこやかな笑顔とともに監督が登場しました。「罪とは何か?」を考える映画を作りたかったという熱いメッセージを皮切りに、トークショーがスタートしました。 『罪と許しの時代』では、「個人、群衆、国家単位での『罪とは何か?』問いかけ、罪の歴史に対してどう関わっていくべきかについて訴えかける作品にしたかった。戦後70年経った今の日本は、人口の80%が戦争を直接体験していない現状にある。今に生きる人、未来を生きる人がそういう問題にどう関わり、どう向き合っていくべきかについて考えてほしい」と話され、会場全体を熱くしました。他の3作品にも『忘却と記憶についての短い物語』は「埋め込まれた、植えつけられた記憶」、『ノルウェイの森たち』は「選ぶ記憶」、『ソウル・フィクション』は「歴史を書く、書きかえる、再定義する」といったそれぞれのテーマがあり、強いメッセージが作品に込められていると言われていました。「『自分は何者か?』を習慣や文化、伝統、歴史などいろんな方向から考え、自分自身を見つめ直すことで、今後の自分のやるべきことを考えていってほしい」と訴えていました。

このように質疑応答では、広島で撮影した理由や映画に込めたメッセージ、映画製作において大切にしたこと、短編映画にした理由など、物語の内容や映画作成についてより深く知ることができるような、ディープな話題で盛り上がっていました。

また、広島ならではの、原爆投下の被害者に対する加害者の謝罪についての質問に対し、「たくさんの遺産があれば、喜んで次の世代は受け取るだろう。同様に考えると、過去の人に罪があれば、次の世代は重荷を背負う責任があるだろう。つまり、あなた自身の罪ではないが、あなた自身の過去である。」と答えたジュン・ヤン監督からは、良いことも悪いことも過去から現代、そして未来へと引き継ぐことの大切さをメッセージから感じられました。そして、盛大な拍手に包まれてトークショーは終了しました。

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