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11月12日(土)10時から横川シネマにて、ポール・ヴェッキアリ監督『劣等生』が上映されました。
上映前に監督から、「年老いた男が初恋の人と会えるかどうかが映画の主題です。さぁ、主人公は会えるのでしょうか?会えないのでしょうか?」と観客へ問題提起がなされ、ドキドキしながら鑑賞スタート!
上映後のトークショーでは、「主人公は私自身とは全く異なる性格で、全く異なる人生を送っている。自分とかけ離れた人間のほうが演じていて面白く、作品世界にのめり込みやすい」と語り、「この映画で一番重要なシーンは、主人公ロドルフ(ポール・ヴェッキアリ)が初恋の人マルグリット(カトリーヌ・ドヌーヴ)に会いに行く場面である。マルグリットとロドルフの会話シーンには、ロドルフの姿は全く映らない。対照的に、マルグリットとロドルフの息子ロラン(パスカル・セルヴォ)の会話シーンには、二人の姿が映っている。果たしてロドルフは本当にマルグリットと会えたのか?息子を会いに行かせただけなのか?はたまた、すべて彼の妄想なのか?色々な意味で含みを持たせている」と、作品への深い想いを明かされました。
また、「この作品にはロドルフの過去の恋人が多数登場するが、脚本の段階から、各役すべて女優ありきで書き進めていた。有名女優それぞれの素晴らしい実績と名声があるからこそ、どれだけ登場人物が増えても、観客が混同することなく観てもらえるように作っている」と、製作前の貴重なエピソードも聞くことができました。
「女優へのオファー? 全員、自分で電話したよ!」
満員の会場から惜しみない拍手が贈られ、トークショー終了。
情熱的なヴェッキアリ監督の名作『劣等生』。監督からのお話を踏まえ、今すぐもう一度観たくなるトークショーでした。