広島国際映画祭 HIROSHIMA INTERNATIONAL FILM FESTIVAL

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2016/11/12

『ミューズアカデミー』ホセ・ルイス・ゲリン監督トークショー

2016年11月12日(土)21時から、広島市内の横川シネマにて、ホセ・ルイス・ゲリン監督の作品『ミューズ・アカデミー』の先行上映と上映後、監督によるトークショーが行われました。

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拍手で迎えられたゲリン監督は、マイクを握ると「おやすみなさい」と日本語で話し、会場は和やかなムードになりました。今回の上映は、東京よりも早い上映となり、「広島の皆様にこの作品をどのように受けとめてもらえたか楽しみであるとともに、ヨーロッパの考え方が日本にどう受け止められるか少し恐れている」と、広島のお客様に向けてご挨拶がありました。

この作品は、実際のバルセロナ大学での教授と学生の講義を舞台に、フィクションの限界に挑んだ作品です。  作品作りのきっかけについて、「映画的な実験として作り始め、当初は映画を作ろうとしていることは意識していなかった」と語り、「予算のない中、録音係の女性と小さなカメラと絶対的な自由だけを持って、作りながら発見していった」と作品の制作過程について述べられました。

この作品の特徴の一つである、ガラス越しからの自然や街、豊かな表情の撮影について質問を受けると、「始めの教室の雰囲気はドキュメンタリーに近い公的なもので、断絶された空間からプライベートな空間に出る必要性があり、コントロールできるのはフレームの中の俳優の顔だけだった。また、同じ室内にカメラがいないため、プロでない俳優たちに有利に働いた。全く何もないところからフレーム内のものをコントロールしたかった」と、観客の空想力の中で作られる作品であることを語りました。登場する人やモノといった、一つ一つの素材に対する信頼についての質問には、「すべての素材の道徳を見つけることが大切で、存在の倫理が大事」とゲリン監督独自の映画制作の道徳観にも触れました。

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トークショーの後半は、観客からゲリン監督への質問の時間が設けられ、貴重な時間を共有しました。

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